インタビュー

『コーヒー一年生』で知る、おいしくてもおいしくなくても楽しいコーヒーの世界

『コーヒー一年生』で知る、おいしくてもおいしくなくても楽しいコーヒーの世界

コーヒーを好きになりつつある、あるいは飲むようになって久しいけどくわしいことはよくわからない、というコーヒーファンにおすすめしたい本『図解 コーヒー一年生』。

イラストやマンガを交えて編集した、読みやすい一冊です。

コーヒーを学び始めた主人公・カオルを中心にジャマイカやブラジル、パプアニューギニア、エチオピアといったコーヒーが個性的なキャラクターとなり続々登場する同書について、著者と編集者にお話を聞きました。

この記事を書いた人

sk

S.K

編集部ライター

ここ数年、朝のソイラテから一日が始まります。
そして朝ドラを見ながらブラックを1杯、仕事中は1〜2杯。
夜になるとコーヒー豆乳焼酎を一献というのが日々のコーヒールーティンです。

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世界一のバリスタが出版社に「逆指名」して生まれたコーヒー本

出典:https://philocoffea.com/

『コーヒー一年生』の著者・粕谷哲(かすや・てつ)さんのお店は、千葉県にあります。

発売元・サンチュクチュアリ出版が別の書籍を制作中、千葉・津田沼在住のイラストレーター・山田コロさんがよく、粕谷さんのお店のコーヒーを差し入れてくれていたのだとか。

そのとき制作中だった書籍は『ワイン一年生 2時間目 チーズの授業』という、チーズの入門書。当時はまだ、コーヒーの本を作ろうという話は出ていなかったといいます。

著者の粕谷哲さんが『図解 ワイン一年生』の大ファンだったことから、版元のサンクチュアリ出版に連絡する形で、企画が立ち上がります。その後約1年の準備期間を経て、本格的な制作がスタートしたそうです。

不思議なご縁を感じますね。

『ワイン一年生』の次は、コーヒーをテーマにした本を

ワイン一年生

出典:https://wine-highschool.com/

著者やイラストレーター、版元の間で「コーヒーの本を!」という動きになりつつ、企画が実現するまでには1年に及ぶ時間がかかったそう。

「コーヒーは人によって飲む銘柄や飲み方が多様です。どの層に合わせて本作りをしたらいいかという迷いがあったものの、やはり作ることになりました」と、編集担当の橋本さんは言います。

「コーヒーとの縁は糖尿病」という著者の粕谷哲さん

前職での多忙などがたたり、1型糖尿病という不治の病に冒された粕谷さん。

病床で「糖尿にはコーヒーがいいかもしれない」という情報を得たことが、コーヒーとの縁だったそうです。

コーヒー器具を買い揃え、自ら淹れるようになった粕谷さんは闘病のかたわら、コーヒーの道を歩み始めます。

病気をきっかけに粕谷さんは「自分が納得できて、相手の喜ぶ顔が見える仕事をしたい」と考え、バリスタに転身。

そして2016年、世界大会World Brewers Cupでアジア人初の世界チャンピオンに輝きます。

世界一は通過点

コーヒーの良さを世の中にもっと伝えたいという思いをベースに、粕谷さんは世界一に挑んだそうです。

「バリスタになりたてのころは、焙煎豆をただおいしく淹れることが仕事だと思っていました。
でもあるときグアテマラの農園で、ファーマーたちがどんな風に作ればよりおいしくなるかということについてずっと、真剣に話し合っていたのを目の当たりにして。こういう背景も飲み手に伝えたい!と考えたんですよね。」

世界一となり、発信力を得た粕谷さんはより「伝えること」に注力します。

コーヒーを気軽に楽しんでほしいという思いを『コーヒー一年生』に

出典:https://www.sanctuarybooks.jp/book-details/book1435.html

本格的に著書の制作をスタートした粕谷さん。

どうしたらコーヒーのことをしっかり、かつ分かりやすく伝えられるか。

たとえ、値段の安いコーヒー豆でも淹れ方によって美味しくなるということ、楽しく飲めることを伝えたいと、イラストレーターの山田さんと一緒に試行錯誤を繰り返したそうです。

本書はコーヒーの淹れ方から産地、味わい、そして豆の選び方、好みの伝え方など、コーヒーまわりのあらゆる疑問を楽しく網羅しています。

この記事を読んでいる読者の方はおそらく、コーヒー豆や粉、器具を買ってきて自宅で淹れているのでは。それならきっと『コーヒー一年生』を楽しめると思います。

『図解 コーヒー一年生』の主人公は、コーヒーに迷える会社員・カオル

出典:https://www.sanctuarybooks.jp/book-details/book1435.html

コーヒーがおいしい喫茶店「薫」を営んでいたカオルの祖父。

病気のために閉店を考えていると聞き、カオルは二代めになることを決意。

とはいえコーヒーのことなんて何も知らない、というところから『コーヒー一年生』は始まります。

グアテマラはやさしい優等生、ベトナムは口数少ないマッチョなど、コーヒーを擬人化

コーヒー一年生
出典:https://www.sanctuarybooks.jp/book-details/book1435.html

『コーヒー一年生』ではいろいろな国・地域のコーヒー豆を紹介しています。

あらゆるコーヒー豆がオリジナリティあふれるキャラクターとなって、主人公カオルと交流します。

イラストを担当した山田コロさんはコーヒーにくわしくなかったそうで「初心者のフィルターを通した擬人化がとても良いものになりました、その制作工程がとても楽しかった」と粕谷さん。

イメージのキャッチボールをして、それをイラストに描きおろしてもらう作業を、時間をかけて行ったといいます。

「自分だけで考えるとどうしても、プロ目線でコーヒーを見てしまう。たとえば、ひとくちにエチオピアといってもいろいろあるし、精製方法もナチュラルやウォッシュドなど、言い出したらキリがありません。その”いろいろ”が、初心者のとっつきづらさの原因なのでは?と思えたんですよね」とも。

おいしくないと思うのもコーヒーの楽しさ

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粕谷さん曰く「コーヒーがおいしいのはうれしいことですが、それだけがコーヒーの楽しさではないと、ぼくは思っています。おいしくないコーヒーを楽しむ、楽しみ方があるというマインドが大事。試行錯誤するのも醍醐味です」と。

「おいしくない!と思ったらぜひ、淹れ方を調べてみてください。検索してもいいし、プロがいるお店へ足を運んでも。それでも難しければ、この国のコーヒー豆は自分に合わないかも。
別の豆も試してみよう、という楽しみにかえて、いろいろなコーヒーを味わってみてください。コーヒーは“よく知ってる人”だけの飲み物ではありませんから」
とも。

インスタントからスペシャルティまで、ありとあらゆるコーヒーの楽しみ方のヒントを『コーヒー一年生』で、探してみませんか。

書名図解 コーヒー一年生
著者粕谷 哲
出版サンクチュアリ出版
Official Sitehttps://www.sanctuarybooks.jp/book-details/book1435.html

PHILOCOFFEAの定番ブレンド「RUDDER BLEND MEDIUM DARK」を試飲

RUDDER BLEND MEDIUM DARK
RUDDER BLEND MEDIUM DARK

千葉県船橋市のふなばし産品ブランド協議会による「ふなばしセレクション認証品」として認証を受けている、RUDDER BLEND MEDIUM DARKを試飲しました。

ナチュラルな甘みが豊かな、やさしい味わいのコーヒー。ケニアとブラジル、ホンジュラスのコーヒー豆をバランスよくブレンドしているそうです。

リラックスしたいとき、こういう自然な甘さのブラックコーヒーがあるとほっとするように思います。

シリーズ書籍をご紹介。こちらもぜひ

『図解 ワイン一年生』著者:小久保尊 イラスト:山田コロ

異例の16万部突破!ワインの本で一番売れている本です。

ワインはそこそこ飲むけれど、ワインはいつも“勘"で選んでる。

そんなプチワイン好きの人のために、複雑でとっつきにくいワインの世界を、図やマンガを駆使して「これ以上ないほどわかりやすく」解説した本。

かわいい高校生に姿を変えた“カベルネ・ソーヴィニヨン"“シャルドネ"“ピノ・ノワール"など、個性豊かな34種のぶどうたちが、ゆかいな学園生活の中で、味や香りの特徴をしめしてくれます。

『図解 ワイン一年生 2時間目 チーズの授業』著者:小久保尊 イラスト:山田コロ

下町の人気ソムリエが教える世界一かんたんなワイン✕チーズの教科書。

「ワインは大好きだけど、チーズはよくわからない」

そんなあなたのために。酒飲みにうれしいチーズの凄まじい効能と、“ワインを劇的に美味しくする"チーズはどれか?をわかりやすく解説。

この本を読み終えた後は、近所のスーパー、輸入スーパー、チーズ専門店、バー、レストラン…どこでも自信をもってチーズを選べるようになります。

※本記事は2023年11月時点の情報です。掲載情報は現状と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。

この記事を書いた人

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S.K

編集部ライター

家で飲むコーヒーは基本ノンカフェインの決まった銘柄ですが、加入している生協に知らないコーヒーが出ていれば買うことも。
喫茶店やレストランでは、ガツンとカフェインの効いたのが嬉しいです。
出張や旅行などで遠方に行くと水が違うからか、何気なく立ち寄った店で飲んだコーヒーが思い出に残ることも少なくありません。

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