『屋久島はひと月に35日雨が降る』
そう小説で描かれる程、降雨量が多い。そして、もともと花崗岩(かこうがん)で出来ている島は補水力が追い付かず、ミネラルが溶け込む前に海に流れて落ちる為、超軟水です。
その超軟水でコーヒーを淹れると、酸味や甘味が強調される様な味わいになります。
もくじ
コーヒーの99%は水で出来ている
つまり、おいしい水からしかおいしいコーヒーは出来ないと言えます。
屋久島の水は余りに澄んでいるので、上水場の検査がほとど要らない程です。川が多くて海に直接落ちる滝もあります。
海も川も山も水が綺麗なら、屋久島で飲むコーヒーはおいしいに決まっています。
そう思って屋久島でコーヒーを始めました。
発想の原点はエチオピアのコーヒー文化
炭に火を入れるところから始まり、草を敷き、香を炊きます。コーヒーの生豆を洗い、火を入れていきます。
僕はのんびり時間をかけてもてなすコーヒーをしたかったのです。
だから、コーヒー焙煎の体験ワークショップを始めました。
ワークショップは家庭でできるコーヒー焙煎
日本では一般的にコーヒー豆は店で買います。
エチオピアでは「生豆」を店で買い、各家庭で飲む直前に焙煎します。
焙煎をする間に色々な話をして過ごすスタイルは日本のお茶の文化に似ています。
『Amboでコーヒーをやっている』
そうエチオピア人に話すと、きっとエチオピアでコーヒーショップをやっていると想像するでしょう。
エチオピアでは昔から広くアンボハ(Amboの水)が瓶詰めで売られ、今もペットボトルで買うことができます。
これはアンボ地方の炭酸性の温泉水で飲める水です。1997年から2000年までエチオピアで暮らした僕もよく飲んでいました。
おうちでできるコーヒー焙煎体験
さて、当店では通常営業の中で「おうちでできるコーヒー焙煎体験」を提供しています。
雨の多い屋久島に観光で訪れる人にとっても、室内アクティビティの選択肢があるのはうれしい。
森や川に持っていって淹れるのがおすすめ
一番のオススメは屋久島に到着したらすぐにコーヒーを焙煎していただき、森や川、海に一緒に持って行ってそのコーヒーを屋久島の水で淹れていただくことです。
カカオ豆からつくるチョコレート制作
実は、ワークショップのメニューはもうひとつあります。
それは「カカオ豆からつくるチョコレート制作」です。
これもコーヒーと同様、豆からつくるので、シンプルな素材を楽しめるものです。
そして、ポイントはカカオ豆に合わせるのを甜菜糖にしていること。
甜菜糖はミネラルが豊富
屋久島の水とは全く逆なのです。だから、屋久島の水でコーヒーを淹れるなら、断然、甜菜糖でつくったチョコレートをペアリングしてほしいと思ったのです。
そんなこだわりを込めて、商品づくりをしていて、世間では通常、コーヒー豆は焙煎前に水に入れたりしない訳ですが、エチオピアでは焙煎直前にコーヒー豆を水洗いしていたのをよく覚えています。
我々のイメージとしては米を研いでから炊く感じに近いでしょうか。
ある時、おにぎりを作っている会社の社長さんが「コーヒー焙煎のワークショップ」に参加されたことがあります。
「コーヒー豆も米も同じなんですね」そういって、とても楽しんでコーヒーを焙煎していかれた。
やくしまロースターで焙煎しているコーヒーは全て水で研いでから焙煎をしています。そして、パッケージには「屋久島憲章」を入れています。
屋久島憲章
- わたくしたちは、島づくりの指標として、いつでもどこでもおいしい水が飲め、人々が感動を得られるような、水環境の保全と創造につとめ、そのことによって屋久島の価値を問いつづけます。
- わたくしたちは、自然とのかかわりかたを身につけた子供たちが、夢と希望を抱き世界の子供たちにとって憧れであるような豊かな地域社会をつくります。
- わたくしたちは、歴史と伝統を大切にし、自然資源と環境の恵みを活かし、その価値を損なうことのない、永続できる島づくりを進めます。
- わたくしたちは、自然と人間が共生する豊かで個性的な情報を提供し、全世界の人々と交流を深めます。
屋久島は昔から水を大切にする文化があるんです。人間の6割から9割が水から成り立っている。だからこそ、水を大切にする気持ちを表現したいと考えています。
▼やくしまロースター
公式HP | https://www.yakushimaroaster.com/ |
営業時間 | 12:00~17:00 |
ワークショップ(完全予約制) | 9:00~11:00、17:00~19:00 |
定休日 | 火・水・木 |
公式SNS |