味わい豊かな炭焼きコーヒーが楽しめる珈琲倶楽部 田(でん)。
八王子駅から数分ほど北上した場所に、40年ほど前からお店を構えています。こちらの本店のほか、八王子駅の商業施設には支店もあります。
初代マスターからお店を引き継いだ2代目マスター・永塚祐士さんはお店を切り盛りしながら音楽をはじめ、さまざまな活動をこなすアグレッシブな人。
お店でオーダーできるコーヒーのことを中心にたくさん、お話を聞いてきました。
この記事を書いた人
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もくじ
珈琲倶楽部 田は先代が英会話の先生をしながら、趣味で始めた喫茶店
JR八王子駅の北口から桑並木通りを3分ほど北上すると右手に見えてくる、珈琲倶楽部 田の看板。お店はビルの2階にあります。
扉を開けると、豊かなコーヒーのアロマが。おいしい一杯を待つ時間も至福です。
茶色を基調にした暖かみを感じる店内では静かに、コーヒーを味わう人たちがくつろいでいます。
フロアの真ん中にはギターが置かれています。
地元誌のライターやYouTuberとしても活動する多忙なマスターは、どんな方なのでしょうか。
▼店内には地元で活躍するアーティストの作品展示も。展示内容は定期的に変わるとのこと、いろいろな作品が見られます
会社員として働いていたとき「継がないか」と
永塚さんは、叔父さんが切り盛りしていたこの珈琲倶楽部 田を継いだ2代目。
珈琲店のマスターになることは全く考えていなかったそうで、叔父さんから話を持ちかけられたときは1年ほど悩んだといいます。
その間、すでに病を得ていた叔父さんが弱っていくのを見て、断りきれなくなってしまったそう。
実際にお店で働き始めると「あまりにも静かな店内で毎日を過ごすことに、すぐ疲れてしまって」と永塚さん。かつての勤務先へ、復職の相談をしに行ったのだとか。
ある朝、机の上に「続けていればいいこともある」と、お母さんの筆跡で書かれた手紙が置かれており、復職を思いとどまったといいます。
ホスピスで先代からコーヒーのこと、お店のことを学ぶも
このまま喫茶店の仕事を続けていいんだろうか、という悩みから解放されないうちに、先代はホスピスへ。
病室へ顔を出すと、コーヒーのことや店舗経営のことを熱心に教えてくれたそうです。
そうしたやり取りを経て徐々に、お店を継承していく意思を固めた永塚さん。
「もっといろんなことを聞いておけばよかった、と今でも思います。コーヒーのことも、経営していくためのノウハウも、先代からはしっかり学べませんでした」と当時を振り返ります。
そして2010年に先代は逝去。翌年、東日本大震災でお店は大打撃を受けることになります。
東日本大震災のあと、いったんは店を手放そうと
これから、というときに起こった大震災。駅前の支店が閉鎖に追い込まれ、本店も閉める決断をしなければならないほど、ギリギリの状況に陥ります。
状況を改善しようと、デザインの専門家にコンサルを受け店舗リニューアルを行うなど、さまざまなことに取り組んだものの数年の間、苦難を強いられたそうです。
お店を守るために相当な苦労、努力を重ねたであろう永塚さん。当時のことを「強運でした」と笑顔で振り返ります。
お客さんが驚いたり、喜んだりしてくれることが楽しい
数々の困難を経てお店は復活し、八王子駅の商業施設内に新たな支店もオープン。
本店は数年前に改装を行い、居心地の良さも増しました。
創業から40年を経った今は、地元のさまざまな人や活動をつなぐ拠点的役割も担っています。
どんなことをしても構わないから、コーヒーの味は守り続けてほしい
先代の言葉どおり、受け継いだコーヒーの味はしっかり守っているという永塚さん。
創業時、先代はおいしいコーヒーを探して日本中を渡り歩き、神戸で理想の焙煎所を見つけたといいます。
現在もその焙煎工場の職人さんに、珈琲倶楽部 田オリジナルの焙煎を依頼しているそう。
一度に焙煎する量を変えただけでも、今日のコーヒーはいつもと違う!と気づく常連客もいるんだとか。
「創業時から40年、ずっと通ってくれるお客さんには分かるみたいです。お店のスタッフは誰も分からないのに」と。
長く愛され続けるコーヒー、飲んでみたくなりませんか。
八王子にゆかりのあるミュージシャンたちとのつながり
一時はスカウトを受けるほど音楽に打ち込んでいた永塚さんは、ドラマーとしての顔も持っています。
八王子で活躍するアーティストを中心に、オリジナルグッズとしてコーヒーを提供することもよくあるそうです。
「オリジナルグッズとしてコーヒーを作るとき、好きな味わいや雰囲気、シチュエーションなど、コーヒーを通して伝えたいことをアーティストにじっくりヒアリングしながら試作し、試飲会を行います。フィードバックをもとに調整を繰り返すなど、アーティストに寄り添ったコーヒー作りを心がけています」と永塚さん。
ご自身もミュージシャンという立場で、さまざまな思いを込めて作るといいます。
推しのアーティストをイメージしたコーヒー、ファンならきっと飲みたくなりますね。
▼ミュージシャン向けにカスタマイズしたパッケージ
すべての豆に自信を持って、ご提供させていただいています
写真はストロングブレンド。ブラジル産のサントス・ニブラをベースにしたブレンドだそう。冷めても淹れたてと味が全く変わらず、その名のとおり苦味がしっかりした、コク深いコーヒーです。
「炭火焙煎のコーヒーに興味があれば、ぜひお店まで飲みにきてください」と永塚さん。
「たとえば、いつも飲んでる缶コーヒーはこれ!とか、コーヒーの好みをざっくりと言ってもらったら、お好みのものをお出しできますよ。」とも。
すべての豆に自信を持って、という永塚さんの言葉に、先代から受け継いだコーヒーへの矜持をひしひしと感じます。
お取り寄せも手軽に
珈琲倶楽部 田はオンラインショップも充実しています。
送料無料のトライアルセットやメール便対応のコーヒー豆なども選べて便利。お店に足を運びにくくても、気軽に珈琲倶楽部 田の味わいを楽しめますよ。
2023年度から、お店のコーヒーが八王子市のふるさと納税返礼品になったとのことです。市外に住んでいる方は、ふるさと納税でお取り寄せしてみませんか。
珈琲倶楽部 田の詳細情報
店舗名 | 珈琲倶楽部 田(でん) |
住所 | 東京都八王子市横山町2-7 石川ビル2F |
電話番号 | 042-646-6932 |
営業時間 | 10:00〜16:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | なし |
Official Site | https://www.coffeeclub-den.com/ |
youtube | https://www.youtube.com/@coffee-den1983 |
blog | https://ameblo.jp/coffeeclub-den/ |
※本記事は2023年3月時点の情報です。掲載情報は現状と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスをはじめとした感染症などの拡大防止のため、掲載情報に変更が生じることがあります。最新の情報は直接、お店へお問い合わせください。
※お店を訪問される際はマスク着用と手洗い、手指の消毒などを心がけ、感染拡大防止にご配慮いただきますようお願いします。
※記事内には撮影のため、お店の方にマスクを取っていただいているものがあります。
この記事を書いた人
編集部ライター
家で飲むコーヒーは基本ノンカフェインの決まった銘柄ですが、加入している生協に知らないコーヒーが出ていれば買うことも。
喫茶店やレストランでは、ガツンとカフェインの効いたのが嬉しいです。
出張や旅行などで遠方に行くと水が違うからか、何気なく立ち寄った店で飲んだコーヒーが思い出に残ることも少なくありません。