インタビュー

八王子の珈琲倶楽部 田で、半世紀近く愛される炭焼きのコーヒーを

八王子の珈琲倶楽部 田で、半世紀近く愛される炭焼きのコーヒーを

味わい豊かな炭焼きコーヒーが楽しめる珈琲倶楽部 田(でん)。

八王子駅から数分ほど北上した場所に、40年ほど前からお店を構えています。こちらの本店のほか、八王子駅の商業施設には支店もあります。

初代マスターからお店を引き継いだ2代目マスター・永塚祐士さんはお店を切り盛りしながら音楽をはじめ、さまざまな活動をこなすアグレッシブな人。

お店でオーダーできるコーヒーのことを中心にたくさん、お話を聞いてきました。

この記事を書いた人

sk

S.K

編集部ライター

ここ数年、朝のソイラテから一日が始まります。
そして朝ドラを見ながらブラックを1杯、仕事中は1〜2杯。
夜になるとコーヒー豆乳焼酎を一献というのが日々のコーヒールーティンです。

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珈琲倶楽部 田は先代が英会話の先生をしながら、趣味で始めた喫茶店

珈琲倶楽部 田

JR八王子駅の北口から桑並木通りを3分ほど北上すると右手に見えてくる、珈琲倶楽部 田の看板。お店はビルの2階にあります。

扉を開けると、豊かなコーヒーのアロマが。おいしい一杯を待つ時間も至福です。

茶色を基調にした暖かみを感じる店内では静かに、コーヒーを味わう人たちがくつろいでいます。

フロアの真ん中にはギターが置かれています。

地元誌のライターやYouTuberとしても活動する多忙なマスターは、どんな方なのでしょうか。

▼店内には地元で活躍するアーティストの作品展示も。展示内容は定期的に変わるとのこと、いろいろな作品が見られます

珈琲倶楽部 田

会社員として働いていたとき「継がないか」と

珈琲倶楽部 田

永塚さんは、叔父さんが切り盛りしていたこの珈琲倶楽部 田を継いだ2代目。

珈琲店のマスターになることは全く考えていなかったそうで、叔父さんから話を持ちかけられたときは1年ほど悩んだといいます。

その間、すでに病を得ていた叔父さんが弱っていくのを見て、断りきれなくなってしまったそう。

実際にお店で働き始めると「あまりにも静かな店内で毎日を過ごすことに、すぐ疲れてしまって」と永塚さん。かつての勤務先へ、復職の相談をしに行ったのだとか。

ある朝、机の上に「続けていればいいこともある」と、お母さんの筆跡で書かれた手紙が置かれており、復職を思いとどまったといいます。

ホスピスで先代からコーヒーのこと、お店のことを学ぶも

珈琲倶楽部 田

このまま喫茶店の仕事を続けていいんだろうか、という悩みから解放されないうちに、先代はホスピスへ。

病室へ顔を出すと、コーヒーのことや店舗経営のことを熱心に教えてくれたそうです。

そうしたやり取りを経て徐々に、お店を継承していく意思を固めた永塚さん。

「もっといろんなことを聞いておけばよかった、と今でも思います。コーヒーのことも、経営していくためのノウハウも、先代からはしっかり学べませんでした」と当時を振り返ります。

そして2010年に先代は逝去。翌年、東日本大震災でお店は大打撃を受けることになります。

東日本大震災のあと、いったんは店を手放そうと

珈琲倶楽部 田

これから、というときに起こった大震災。駅前の支店が閉鎖に追い込まれ、本店も閉める決断をしなければならないほど、ギリギリの状況に陥ります。

状況を改善しようと、デザインの専門家にコンサルを受け店舗リニューアルを行うなど、さまざまなことに取り組んだものの数年の間、苦難を強いられたそうです。

お店を守るために相当な苦労、努力を重ねたであろう永塚さん。当時のことを「強運でした」と笑顔で振り返ります。

お客さんが驚いたり、喜んだりしてくれることが楽しい

珈琲倶楽部 田 2代目マスター・永塚祐士さん

数々の困難を経てお店は復活し、八王子駅の商業施設内に新たな支店もオープン。

本店は数年前に改装を行い、居心地の良さも増しました。

創業から40年を経った今は、地元のさまざまな人や活動をつなぐ拠点的役割も担っています。

どんなことをしても構わないから、コーヒーの味は守り続けてほしい

珈琲倶楽部 田

先代の言葉どおり、受け継いだコーヒーの味はしっかり守っているという永塚さん。

創業時、先代はおいしいコーヒーを探して日本中を渡り歩き、神戸で理想の焙煎所を見つけたといいます。

現在もその焙煎工場の職人さんに、珈琲倶楽部 田オリジナルの焙煎を依頼しているそう。

一度に焙煎する量を変えただけでも、今日のコーヒーはいつもと違う!と気づく常連客もいるんだとか。

「創業時から40年、ずっと通ってくれるお客さんには分かるみたいです。お店のスタッフは誰も分からないのに」と。

長く愛され続けるコーヒー、飲んでみたくなりませんか。

八王子にゆかりのあるミュージシャンたちとのつながり

珈琲倶楽部 田

一時はスカウトを受けるほど音楽に打ち込んでいた永塚さんは、ドラマーとしての顔も持っています。

八王子で活躍するアーティストを中心に、オリジナルグッズとしてコーヒーを提供することもよくあるそうです。

「オリジナルグッズとしてコーヒーを作るとき、好きな味わいや雰囲気、シチュエーションなど、コーヒーを通して伝えたいことをアーティストにじっくりヒアリングしながら試作し、試飲会を行います。フィードバックをもとに調整を繰り返すなど、アーティストに寄り添ったコーヒー作りを心がけています」と永塚さん。

ご自身もミュージシャンという立場で、さまざまな思いを込めて作るといいます。

推しのアーティストをイメージしたコーヒー、ファンならきっと飲みたくなりますね。

▼ミュージシャン向けにカスタマイズしたパッケージ

珈琲倶楽部 田

すべての豆に自信を持って、ご提供させていただいています

珈琲倶楽部 田

写真はストロングブレンド。ブラジル産のサントス・ニブラをベースにしたブレンドだそう。冷めても淹れたてと味が全く変わらず、その名のとおり苦味がしっかりした、コク深いコーヒーです。

「炭火焙煎のコーヒーに興味があれば、ぜひお店まで飲みにきてください」と永塚さん。

「たとえば、いつも飲んでる缶コーヒーはこれ!とか、コーヒーの好みをざっくりと言ってもらったら、お好みのものをお出しできますよ。」とも。

すべての豆に自信を持って、という永塚さんの言葉に、先代から受け継いだコーヒーへの矜持をひしひしと感じます。

お取り寄せも手軽に

珈琲倶楽部 田
出典:https://www.coffeeclub-den.com/

珈琲倶楽部 田はオンラインショップも充実しています。

送料無料のトライアルセットやメール便対応のコーヒー豆なども選べて便利。お店に足を運びにくくても、気軽に珈琲倶楽部 田の味わいを楽しめますよ。

2023年度から、お店のコーヒーが八王子市のふるさと納税返礼品になったとのことです。市外に住んでいる方は、ふるさと納税でお取り寄せしてみませんか。

珈琲倶楽部 田の詳細情報

店舗名珈琲倶楽部 田(でん)
住所東京都八王子市横山町2-7 石川ビル2F
電話番号042-646-6932
営業時間10:00〜16:00
定休日なし
駐車場なし
Official Sitehttps://www.coffeeclub-den.com/
youtubehttps://www.youtube.com/@coffee-den1983
bloghttps://ameblo.jp/coffeeclub-den/

※本記事は2023年3月時点の情報です。掲載情報は現状と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。

※新型コロナウイルスをはじめとした感染症などの拡大防止のため、掲載情報に変更が生じることがあります。最新の情報は直接、お店へお問い合わせください。

※お店を訪問される際はマスク着用と手洗い、手指の消毒などを心がけ、感染拡大防止にご配慮いただきますようお願いします。

※記事内には撮影のため、お店の方にマスクを取っていただいているものがあります。

この記事を書いた人

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S.K

編集部ライター

家で飲むコーヒーは基本ノンカフェインの決まった銘柄ですが、加入している生協に知らないコーヒーが出ていれば買うことも。
喫茶店やレストランでは、ガツンとカフェインの効いたのが嬉しいです。
出張や旅行などで遠方に行くと水が違うからか、何気なく立ち寄った店で飲んだコーヒーが思い出に残ることも少なくありません。

-インタビュー
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