ひつじの編集部

憧れのフィールドコーヒーとドリップコーヒーを真夏のキャンプ場で比較検証!

憧れのフィールドコーヒーとドリップコーヒーを真夏のキャンプ場で比較検証!

キャンプと言えば?という問いに対して、コーヒーと答える人は一定数いるでしょう。

では、キャンプで飲むコーヒーは?という問いに対しての回答は意見が分かれるかもしれません。

定番のハンドドリップ、コンパクトで持ち運びに優れるエアロプレス、直火式のマキネッタ。

お手軽に飲めるドリップバッグも人気だし、インスタントコーヒーもあります。

私の家では、登山の際には家でドリップしたコーヒーを魔法瓶に入れて持っていくのが子供の頃からの定番でした。

そんな定番と呼ばれる存在ではないものの、伝統的で、一部に根強いファンを持つ”フィールドコーヒー”をご存知でしょうか?

今回編集部でそのフィールドコーヒーをキャンプ場で実際に淹れて飲み、ハンドドリップで淹れたコーヒーと比較してみました。

当日のキャンプの様子を交えてお楽しみください。

この記事を書いた人

コウタ

コウタ

編集部ライター

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フィールドコーヒーとは?

フィールドコーヒーとは、水を入れたやかんに粗挽きにしたコーヒー豆を入れて煮出したコーヒーのこと。

聞き慣れない方も多いかもしれませんが、北欧ではドリップコーヒーが誕生する前から飲まれていた古い歴史を持つコーヒーです。

ざっくばらんに言えば、やかんと火と挽豆さえあれば作れるとってもアウトドア向きなこのコーヒー。

煮出しコーヒーや焚き火コーヒー、ワイルドコーヒーなどの名前で呼ばれることもあるそうです。

今回の企画概要。ただフィールドコーヒーを飲むだけではつまらない!

大自然の中で憧れのフィールドコーヒーを飲む。

この行為のエモさからフィールドコーヒーが神格化されてしまい、否が応でも美味しく感じてしまうことは想像に難くない。

というわけで今回はフィールドコーヒーとドリップコーヒーとをしっかりと比較・検証することにします。

比較検証の方法は以下の通りです。

準備した2種類の豆(浅煎り・深煎り)を使用してフィールドコーヒー(煮出し)とドリップコーヒー(ハンドドリップ)を抽出。

先入観を持たないようにどちらのコーヒーなのか伏せた状態で2杯を飲み、どちらが美味しいのかをジャッジします。

また、日常と違うキャンプという状況下におけるそれぞれの長所や短所も考察したい。

道具を持っていく手間やタイムパフォーマンスなんてものも重要になってくるわけです。

用意したもの

用意したものは写真の一式ですが、実際のキャンプで両方を想定して準備することはあまりないはず。

というわけで、それぞれに必要となる道具をピックアップしました。

フィールドコーヒー

  • コーヒー豆 (20g)
  • お湯 (240g)
  • コーヒードリップポット
  • スケール
  • コンロ・ガスボンベ

ドリップコーヒー

  • コーヒー豆 (20g)
  • お湯 (240g)
  • コーヒードリップポット
  • ドリッパー
  • フィルター
  • コーヒーサーバー
  • ハンドミル
  • スケール

今回は比較しやすいようにできるだけ同等の条件に揃えています。

フィールドコーヒーだけ作るのであれば、やかんやドリップポットの大きさによって倍以上の量を1度に煮出すことも可能です。

いざコーヒーを淹れよう!

まずは慣れ親しんでいるハンドドリップから始めることに。準備した豆は浅煎りです。

ミルで中挽きに挽いた豆へゆっくりとお湯を注いでいきます。

大自然の中でコーヒーをドリップするだけでどうしてこうも絵になるのだろう。

ポタポタ…という音が静かに響き渡ります。

別にいつもと何も変わらないはずですが、何かいい感じです。

出来上がったら各々のコップへ。

とても優雅に見えますが、実際のところめちゃくちゃ暑かったです。

ちょこちょこコテージに涼みに行ったり、こまめに水分補給をしています。

テンションが上がって休憩もせずにはしゃいでいると、夏のキャンプでは大変なことになりかねないので注意しましょう。

▼水分(?)補給をするにゃんたろう氏。

とっても効くご様子です。

その頃、設営班はベストポジションを選定し火起こし中。

というのも現地に到着したのは午後3時の少し手前。

急がなくては暗くなってしまうため、各自手分けしてバタバタと作業を進めます。

▼スピーディーに着火するために薪のフォーメーションを組む

だんだんキャンプっぽくなってきました。

同時進行でフィールドコーヒー用の豆も挽いていきます。

こちらは気持ち粗挽きに。

焚き火が安定する前だったので、ガスコンロに着火。

お湯が沸騰したのを確認したら、1度火を落としてコーヒー豆を投下!

ここからは弱火にし、沸騰しないように火からポットをおろしたりなど調整をしつつ、5分間煮出していきます。

最初にコーヒー豆を入れて煮る方法もありますが、長時間煮出すとコーヒーの良い香りが飛んでしまうため、今回はこの形を採用。

5分待ったら完成です。

色もしっかりコーヒーっぽくなっていますし、香りも良い。

これは何だかいけそうな予感がします。

早速コップに注ぎ入れていきます。

このとき注意したいのが、ポットをゆっくりと傾けて静かに注ぐこと。

勢い良く注いでしまうとポット内の豆が注ぎ口から豪快にあふれ出てしまいます。

具体的にはこんなことになります。最悪です。

一応一口飲んでみましたが、口の中が粉だらけになりとっても不快だったので一度コップを洗ってきました。

今度こそコップに粉が入らないように慎重に慎重に注ぎます。

完成!

どうしてもまったく粉が入らないというのは難しいので、多少の被害には目をつぶるしかないでしょう。

さて、憧れのフィールドコーヒーのお味は?

試飲~比較・検証① 

まず1つ大きな誤算だったのが、フィールドコーヒーにはどうしても挽豆が入ってしまったこと。

頑張ってはみたものの、今回は完全な回避は無理でした。そのためどちらのコーヒーなのかわかった状態で飲んでいます。

浅煎りフィールドコーヒー

nari:苦味が濃いね。

マツ:苦いけどスッキリしている感じがする。甘みはほとんどないですね。

にゃんたろう:(ドリップコーヒーと飲み比べて)おれはこっちの方が好きかもしれない。

吉野:うーん。(一口飲んで深く考える)

sora:苦味がしっかり出てる!豆のボディ感がガツンとくる感じ。

マツ:個人的には毎日飲むっていうよりはたまに朝飲みたいスッキリさがありますね。

総じてしっかりと苦みが出ているという声が多かった印象。

5分煮出しただけなので薄めのコーヒーができると思っていたため、これは正直予想外な結果でした。

ペーパーフィルターを通さない分、コーヒーオイルが抽出されたのがガツンとくるボディ感の正体なのかと思います。

挽豆をろ過するために一度フィルターを通そうかと迷いましたが、通していたら本来のフィールドコーヒーとは別の味わいになっていたかもしれません。

苦味については多少湯温が高かったので強く出たのかなというところ。

ただしえぐみのようなものはまったく感じられなかったので、豆に対してちょうど良い温度だったのかもしれません。

浅煎りドリップコーヒー

kouta:酸味も感じられてまろやかですね。僕はこっちの方がスッキリしてて好きですね。

マツ:甘味もありますね。まろやかな口当たりで美味しいです。

nari:フィールドコーヒー飲んだ後だからか、こっちの方が薄く感じるな。

にゃんたろう:(フィールドコーヒーを飲んで)やっぱりこっちじゃないな。フィールドコーヒーの方が飲みやすい。

sora:安定したハンドドリップって感じ。コーヒーオイル感が強くないからスッキリ飲めるね。

マツ:毎日飲むなら完全にこっちの気がします。

フィールドコーヒーの味にパンチがあったことが原因か、スッキリしているという意見が多く見られました。

個人的には浅煎りの酸味や甘味を楽しめるのは、フィールドコーヒーよりも断然ハンドドリップだと感じました。

いざコーヒーを淹れよう!2杯目

何となく1杯目でざっくりとした結論は見えてしまった気もするが、深煎り豆についても検証していきたい。

何かとてつもない化学反応があるかもしれません。

挽いて

ドリップして…

挽いて

煮出す。

完成!

豆の種類・焙煎度合いが異なるものの、作る工程自体はまったく変わりません。

各自へ配布し、早速こちらも飲み比べしていきます。

試飲~比較・検証②

はたして浅煎りと深煎りで顕著な違いは出るのか?

深煎りフィールドコーヒー

kouta:深煎りの場合でもちゃんとしっかり濃く出るんですね。

sora:(フィールドコーヒーは)やっぱり豆のボディ感がすごい出るね。

マツ:コーヒー感すごいですね。苦味も香りも、ちゃんとコーヒーしてます。

吉野:あぁ苦い!!!!

にゃんたろう:やっぱり深煎りでもこっちの方が好きだな。

nari:おれもフィールドコーヒーの方が好きかもしれない。

残念ながら浅煎りのときと基本的な意見はほとんど変わらず。

コーヒーオイルが抽出されることで、ガツンとした味わいや濃厚なコクが楽しめるのがフィールドコーヒーの特徴と言えるかもしれませんね。

深煎りドリップコーヒー

マツ:フィールドコーヒーよりもスッキリして飲みやすいです。

sora:口当たりがまろやかだよね。

kouta:いつもの安定のコーヒーです。

マツ:やっぱり日常飲みならドリップコーヒーですかね。

ドリップコーヒーはフィールドコーヒーと比較して分かりやすい特徴に乏しく、どうしても飲みやすいという言葉で片付けられてしまう結果に。

さっぱりとしたコーヒーが好みの人にはやはりドリップコーヒーをオススメしたいところです。

総評

ドリップコーヒーは当然として、フィールドコーヒーもアウトドアでコーヒーを楽しむ選択肢の1つです。

キャンプにおけるフィールドコーヒーとドリップコーヒーの長所と短所を以下にまとめたので、こちらを今回の総評とさせてください。

長所短所
フィールドコーヒー・準備する器具が少ない
・作り方自体は簡単
・濃厚なコクのあるコーヒーが好きな人にオススメ
・多少なりともコーヒーに粉が混じる
・飲んだコップやポットの掃除が面倒
・味が安定しない(湯温の調整が意外と難しい)
ドリップコーヒー・いつも使用している器具なら味の再現性に優れる
・さっぱりとしたコーヒーが好きな人にオススメ
・準備する器具が多い
・何か1つでも道具がないと作れない可能性がある

個人的にはフィールドコーヒーはこの挽豆の処理にストレスを感じてしまいました。

コップとポットの豆を掃除する面倒さ>>>>>(越えられない壁)>>>>>器具を準備して持っていく大変さ

完全にこの状態でした。

もしフィールドコーヒーを楽しみたいなら、フィールドコーヒーを飲むための専用のコップとポットを準備することをオススメします。

フィールドコーヒーを美味しく飲むにはとにかく雰囲気が大事!

やはりアウトドアで楽しむのがフィールドコーヒーの醍醐味。

自宅でフィールドコーヒー飲んでますよっていう話はあまり聞きませんし、やはりあの開放感やテンションが味を劇的に美味しくさせるのでしょう。

(今回はコンロを使用しましたが、焚き火でやった方がエモ度が確実に上がるので、フィールドコーヒーは焚き火推奨です。)

結構な強行スケジュールで大変な面もありましたが、都会の喧騒から逃れ、緑豊かな清流の流れる秋川渓谷で過ごした時間はとても良い思い出になりました。

東京都産秋川牛も大変美味しく大満足!

秋川渓谷リバーティオありがとう!

また来るね!!

この記事を書いた人

コウタ

コウタ

編集部ライター

365日欠かさずコーヒーを飲んで過ごす編集部ライター。幼少から叔母の経営する喫茶店でよくコーヒーを飲んでいた。30歳を目前にしてようやくブラックコーヒーに目覚める。主に集中したいときにコーヒーを飲むが、休日に頭を空っぽにして飲むコーヒーこそ至高と考えている。

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