コーヒーコラム

シェードツリーとは?コーヒーの木を育てる上で必要な日陰樹について

シェードツリーとは?コーヒーの木を育てる上で必要な日陰樹について

コーヒーの木を育てようと考えている方や、育てている人ならば、「シェードツリー」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

シェードツリーは、コーヒーの木を育てる上で必要不可欠な日陰樹です。

一度は耳にしたことがあるこの木ですが、実際どのような役割があるのでしょうか?

この記事では、シェードツリーの必要性と、植えることで生じるメリット・デメリットについて解説します。

美味しいコーヒー豆を育てるための条件についても触れているので、ぜひ参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

なぎ

なぎ

フリーライター

ハンドドリップにハマり、日々美味しいコーヒーを研究しているライターです!

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シェードツリー(日陰樹)とは、直射日光から守るために植える木のこと

コーヒーノキ

シェードツリーとは、コーヒーの木を直射日光から守るために植える木のことです。

シェードツリーを直訳すると「日陰樹」。つまり日陰を作るための木です。

コーヒーの木の日陰となるくらいですから、シェードツリーには背の高い樹木が使われます。

シェードツリーは、マメ科の木で少ない水分量でも育つものが良いとされています。

[関連]コーヒーの木の育て方と三大原種のアラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種

シェードツリーの必要性

シェードツリーは、コーヒーの木を育てる上で欠かせない存在です。なぜなら、コーヒーの木は直射日光に弱いから。

コーヒーの木にとって最適な環境は、冬が温かく夏は避暑地となる場所と言われています。

人間にとっても心地よいと感じられる環境作りが必要です。

シェードツリーを周りに植えることで、コーヒーの木にとって最適な環境を整えられるでしょう。

直射日光で日焼けすると栄養が足りなくなるため

コーヒーの木が直射日光を浴びすぎると、葉焼けを起こして栄養が足りなくなります。

葉焼けを起こしてしまうと、木が弱くなってしまうからです。

葉焼けにムラが生じると、コーヒー豆となるコーヒーチェリーにまで栄養が行きわたらなくなります。場合によっては、葉が枯死してしまうことも。

自宅で栽培されている方ならば、一度は経験したことがあるかもしれません。

コーヒーの木を育てていたら葉が茶色くなってしまった!という現象です。これが、葉焼けを起こしている証拠です。

そうなってしまうと、美味しいコーヒーチェリーを育てられません。

シェードツリーで上手く直射日光を遮ることで、美味しいコーヒー豆が作れるのです。

[関連]コーヒーチェリーとは?真っ赤なコーヒーの実の構造や精製過程について

栄養が足りなくなることでコーヒー豆の大きさにバラツキが出る

コーヒー豆

コーヒーの木に栄養が足りなくなると、でき上がるコーヒー豆の大きさにバラつきが生じます。

よく栄養が行き届く場所はしっかり育ちますが、葉焼けしているところは小さくなるでしょう。

コーヒー豆は大きさにバラつきがあると、安定した味作りが難しくなります。雑味が多くなり、風味も安定しません。

実際に生豆の段階で、豆の含水量や大きさが均一なものを残すために、ハンドピックしてから焙煎するお店もあります。

コーヒー豆の大きさを整えるのは、美味しいコーヒーを作るうえで欠かせないということです。

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シェードツリーのメリット

シェードツリーには、コーヒー豆の味を守る以外にも様々なメリットがあります。

シェードツリーを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

シェードツリーの落ち葉が肥料になる

落ち葉

シェードツリーの落ち葉は、肥料として活用できます。

コーヒーの木が元気に育つためには、土壌作りも大切だと言われています。

シェードツリーの落ち葉がコーヒーの木の成長を助けてくれるでしょう。

直射日光を避けて、適度な日陰を作ることができる

コーヒーノキ

シェードツリーは、コーヒーの木の日傘となります。

コーヒーの木も、他の植物と同じように適度な日光は浴びなければ育ちません。

完全に太陽を遮ってしまうと、成長せずに栄養不足になってしまうでしょう。

シェードツリーは真っ暗になりすぎずに、葉の間から適度に日光を与えてくれます。

ちょうどいい日陰が作れるため、コーヒーの木とシェードツリーはセットで植えられることが多いのです。

バナナやマンゴーの木を使い、食料にすることもできる

バナナ

シェードツリーは背の高い樹木が使われます。

樹木の種類は決まっていませんが、バナナやマンゴーなどの背の高い樹木を植える農園が多いです。

育てた後は食料として食べられるため、一石二鳥ですね。

シェードツリーのデメリット

シェードツリーには、様々なメリットがあることがわかりました。

しかし、シェードツリーはメリットばかりではありません。

コーヒーの木の面積が狭くなり、収穫量が減る

プランテーション 栽培 農園

シェードツリーを植えると、その分コーヒーの木を植えられる面積が狭くなります。

一回あたりの収穫量が少なくなってしまうため、生産量は落ちるでしょう。

収穫量を増やすためには面積を広げなければならず、森林伐採を余儀なくされるかもしれません。

シェードツリーを植えてコーヒーの木を育てる場合、あらかじめシェードツリーを植える面積も考えておく必要があります。

シェードツリーと混在することで手摘み収穫が基本になる

コーヒー豆

シェードツリーを植えると、コーヒーの収穫時に機械での収穫が難しくなります。

機械でごっそり収穫すると、シェードツリーの実とコーヒーの実が混在してしまうからです。

そのため、収穫は手摘みで行わなければなりません。時間がかかり、収穫に手間がかかるでしょう。

しかし、手摘みによる丁寧な収穫は消費者に喜ばれます。

機械による収穫でコーヒーの実を傷める心配もないので、高品質なコーヒー豆を届けられるでしょう。

シェードツリーが必要な農園と必要ない農園

シェードツリーは、コーヒーの木を元気に育てるために必要なものです。

しかし、必ずしもコーヒーの木を育てる際に必要なものではありません。

シェードツリーを植える必要がある農園と、そうじゃない農園があります。その違いについて解説します。

日照量を適度に保つことができる農園では必要ない

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農園の中でも、日照量を調整する必要がない地域では、シェードツリーは必要ありません。

直射日光が当たらない場所など、日照量を適度に保てる場所では、葉焼けの心配がないからです。

また、コーヒーの木だけを単一栽培すると、シェードツリーで囲むよりも風通しがよくなります。

病気を防ぐ目的で、あえてシェードツリーを植えていない農園もあります。

コーヒーの木を植えているすべての農園で使われているわけではありません。

アラビカ種など、日陰で自生できる場合には必要になる

アラビカ種

アラビカ種のコーヒーの木は、日陰で自生できます。

日光を必要しないため、シェードツリーで守るとよいでしょう。

こうした品種の場合は、日陰を作った方が成長するため、シェードツリーが必要になります。

シェードツリーを植えるかどうかを検討する際は、品種も見ておきましょう。

[関連]アラビカ種のコーヒー豆の特徴と品種について解説します。

[関連]アラビカ種コーヒー豆の人気おすすめランキング

品種改良でシェードツリーが必要なくなってきているコーヒー豆も

現在、市場に出回っているコーヒー豆の中には、実は品種改良されているものがたくさんあります。

品種改良の理由は、シェードツリーによるデメリットを解消するためです。

  • シェードツリーを植える手間がかかる
  • コーヒーの木を植える面積が狭くなる
  • 機械による収穫ができない

これらのデメリットを解消するべく、コーヒーの木が直射日光を浴びても成長できるように品種改良されたのです。

収穫量が増えるため、メリットはたくさんあるでしょう。

しかし、単一栽培をするために森林伐採や、農薬を使う必要があります。

シェードツリーによって守られた自然なコーヒーの木と比べると、健康面での心配が出てきそうです。

[関連]コーヒー豆にはどんな品種があるの?産地や育て方の違いを解説します。

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この記事を書いた人

なぎ

なぎ

フリーライター

学生時代からカフェが大好きで、カフェ巡りを趣味に。甘いカフェラテしか飲めなかった私ですが、ステイホームを機に美味しいコーヒーを追求するようになりました。今では、ハンドドリップにハマり、カフェに足を運ぶよりも家で美味しいコーヒーを淹れることにハマっています。コーヒーは奥深くて、美味しい淹れ方を探究するうちに新たな知識が得られて、色々な挑戦がしたくなります!

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