モカマタリは焙煎度合いで味が大きく変わり、個性的な味わいを楽しめることが魅力のコーヒーです。
豊かな酸味と香り、深みのあるコクを持ち、世界中のコーヒー愛好家から支持されています。
この記事では、そんなモカマタリの特徴や美味しい飲み方について解説します。
記事後半では、おすすめのモカマタリも紹介しているので参考にしてください。
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もくじ
モカマタリとは
モカマタリはイエメンで生産されたアラビカコーヒー豆のこと。
モカの名前の由来は、イエメンの小さな港町「モカ」からコーヒーが輸出されていたことが始まりです。
イエメン産のコーヒー豆と一緒にエチオピア産のものも一緒に輸出されていたため、これらを総称してモカと呼ぶようになりました。
モカは収穫地域によって名前が異なり、「モカ+地名」で呼ばれることが多いです。
モカマタリはイエメンのバニーマタル地区で生産されていて、バニーマタルの「マタル」が「マタリ」に変わったことによって付けられた名前だと言われています。
全日本コーヒー公正取引協議会の表示規則では、イエメン産のアラビカコーヒー豆をモカマタリとすると決められています。
船田 弘
かつてのヒット曲「コーヒールンバ」の歌詞にも出てきますし、日本でも広く知られている有名な豆の一つでしょう。
「モカ信仰」という言葉も聞くくらい、愛好家も多いですし。
私自身も「酸味系のおいしい豆は?」と言われると、真っ先に浮かぶのはやはりモカ系の豆になりますね。
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イエメンで栽培しているコーヒー豆
モカマタリは、バニーマタル地区の標高1,000m~3,000mもある山岳地帯の急斜面で生産。
年間を通して昼夜の寒暖差が激しく、豊富な降水量と肥沃な土壌といったコーヒー栽培に適した条件が揃っています。
こうした環境が整っているからこそ、独特なモカ風味と豊かな酸味を持つ良質なコーヒー豆が生み出されるということですね。
モカマタリは収穫できる生豆の量が少なく輸入制限されているため、イエメンコーヒーの中でも高値で取引されます。
小規模農家が生産している
イエメンには大農園は少ないため、農民個人の畑で、ほとんど手作業によるコーヒー栽培が行われています。
これは先祖伝来の土地を他人に売らずに守り続け、農法を受け継いでコーヒー生産をしているため。
コーヒーを育てている畑の、残り一部で野菜などを栽培し、自給自足で生活している農家が多いようです。
完熟したコーヒーチェリーは手積みで収穫し、自分の家の屋根で10〜15日間ほど乾燥させた後、石臼で脱穀して袋詰めにして保管されます。
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モカマタリの特徴と味
イエメンで生産されたモカマタリは、独特な風味で人々を魅了する歴史あるコーヒーです。
「コーヒーの貴婦人」と表現されるモカマタリの特徴や味について紹介します。
コーヒー豆の品質にバラつきがある
コーヒー豆の精選方法は生産地によって異なりますが、イエメン産のモカマタリはナチュラル精製(非水洗式)で行われています。
非水洗式は果実のまま乾燥させる方法で、果肉を付けた状態が長く続くことにより、独特の味わいと香りのあるコーヒーに仕上げられることが特徴。
一方で、乾燥ムラが出やすかったり、欠点豆が混ざりやすいというデメリットもありえます。
モカマタリの最高ランクである「No.9」規格でも3割程度は欠点豆が含まれていると言われているため、焙煎前にはハンドピックしたほうがいい場合もあるでしょう。
[関連]【専門家監修】コーヒーの欠点豆とは?種類や取り除くポイントについて解説
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フルーティーな強い酸味とコクが魅力
モカマタリは「熟したフルーツのような香り、ワインのような香り」と例えられるほど強い酸味があり、コーヒーに酸味を求める人にはピッタリ。
また、深いコクを感じられるので、コーヒー感もしっかり味わえます。
後味は爽やかで、華やかな香りを感じられる気品溢れるコーヒーです。
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味の変化を楽しめる
モカマタリに限った話ではありませんが、コーヒーは焙煎度合いによって自分好みの味に調整して楽しめることが魅力のひとつ。
モカマタリの場合、浅煎りにすると酸味やフルーティーさがより増していき、深煎りにするとワインのような香りと上品なコクが際立ちます。
ただし、モカマタリには欠点豆が含まれていることが多く、混ざっていることで風味に影響が出ることも。
雑味のないモカマタリを味わうためには、焙煎前のハンドピックを、より入念に行う必要があるでしょう。
モカマタリの等級・グレード
- アールマッカ(最高品質)
- No.9
- No.8
- No.7
- No.6
モカマタリは、コーヒー豆のサイズや欠点豆の混入率によって等級分けされていて、数字が大きいほど高品質のコーヒー豆となっています。
ただし等級分けの明確な基準がないため、どの等級でも欠点豆は少なからず含まれます。
この点は、モカマタリが原始的な方法で精製していることも理由だと言えるでしょう。
日本には主に高品質の「No.9」が取り扱われていますが、ほかの生産国のコーヒー豆と比べるとやはり欠点豆の混入は多めです。
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ネット上でモカマタリがまずいという意見がある理由
コーヒーノキの種子であるコーヒーチェリーは、乾燥させる際に専用の乾燥場を利用します。
乾燥工程はコーヒーの品質に大きく影響するわけですが、モカマタリは専用の乾燥場ではなく、生産者の自宅屋根にコーヒーチェリーを広げて乾燥させます。
この方法はコーヒーチェリーが重なって発酵やカビが発生するため、欠点豆が多くなるのです。
日本では欠点豆を取り除いて販売されることが多いですが、それでもわずかに残ってしまうのが実情。
ネット上でモカマタリがまずいという意見があるのは、こういった理由があるからと考えられるでしょう。
欠点豆が目立つようであれば、ハンドピックで取り除いてから飲むのがいいかもしれません。
[関連]【専門家監修】コーヒーの木の育て方と三大原種のアラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種
モカマタリに欠点豆が多い原因
欠点豆が多いことについては、複合的な理由が考えられます。
主な理由としてあげられるのはまず、砂漠の多い自然環境にあり、そもそも農業が発展しにくい厳しい環境にあるという点。
またイエメンにおけるコーヒー栽培は、家族単位の小規模農家中心の生産体制となっているため、どうしても精製基準にバラつきが生じやすい面もあるでしょう。
その背景には、イエメン自体に「政情不安・厳しい経済事情・宗教や民族・複雑な歴史・文化的慣習の壁」もあります。
一律のルールで大規模な農園を作って大量生産したり、機械化すること等が難しい国内事情もあるようです。
そんな中でも、イエメンのモカは国際的な需要が高くても生産量が少なく、高価格で取引される状況です。
今後もし、衛生環境の整備や精製技術の向上、栽培農家の意識の高まりなどの各種条件をクリアできれば、品質が安定・向上し、さらなる一大産地として発展していくポテンシャルを秘めた国と言っても言い過ぎではないでしょう。
イエメン産モカとエチオピア産モカの違い
モカと呼ばれるコーヒーはイエメン産とエチオピア産の2種類に分類されます。
ここでは、エチオピア産のモカハラーとモカシダモ、モカアビシニア、モカイルガチェフェの特徴について解説します。
モカハラーの特徴
モカハラーはエチオピア東部の都市、ハラール地方の標高2,000mの山岳地帯で栽培されているコーヒーです。
標高の高さ、火山灰土壌、良好な日当たりなどコーヒーを栽培する環境に恵まれています。
さらに、日中の寒暖差が激しいことからコーヒー豆の旨味が増すこともポイント。
独特のモカの香りや程よい甘み、芳醇な苦味を楽しめますよ。
浅煎りにすることでブルーベリーのような風味を感じられることも特徴です。
モカシダモの特徴
モカシダモは、エチオピア南部に位置するシダモ地方の標高2,000m以上の高地で栽培されるコーヒーです。
モカハラーと同様に、標高の高さや火山灰土壌などコーヒー栽培に適した条件が揃っています。
やさしい酸味と甘く芳醇な香りが特徴。苦味は少なくまろやかな味わいを感じることができるでしょう。
モカアビシニアの特徴
エチオピアのゲディオ地区のビロヤ村で栽培されるモカアビシニア。
標高1,900m~2,100mの豊かな土壌で育て上げられたコーヒーで、華やかな香りと果実のような甘味と酸味があり、爽やかな後味を残してくれます。
モカイルガチェフェの特徴
モカイルガチェフェは、エチオピア南部にあるシダモ地方のイルガチェフェ地区で栽培されているコーヒーのこと。
2,000mを超える標高で年間降水量も多く、肥沃な黒土、昼夜の寒暖さが大きいなど、コーヒー栽培には最適です。
花のような香りで苦味がなくトロピカルな酸味を感じられ、後味はほのかな甘味があります。
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モカマタリの美味しい飲み方・淹れ方
モカマタリは焙煎度合いによって香りや味、酸味や苦味の変化を楽しむことができます。
ここでは、モカマタリを美味しく飲むためのポイントや方法を紹介します。
自家焙煎の際はハンドピックを入念に!
モカマタリは欠点豆が多く、精製状態のバラつきが大きい豆の一つです。
焙煎前のハンドピックは、他の豆以上に入念に時間をかけて行うことをおすすめいたします。
酸味を求めるなら浅煎り、強い苦味を求めるなら深煎り
モカマタリは浅煎りでも深煎りでも、上品な味わいと香りをしっかりと堪能できます。
フルーティーで爽やかな酸味を楽しみたいのであれば浅煎り、モカ香と深いコクや苦味を楽しみたいのであれば深煎りで焙煎するのがおすすめ。
中煎りのハイローストからシティローストなら苦味は控えめで、モカマタリの独特な香りと酸味を引き出せます。
生豆で購入しておけば自分の気分や好みに合わせて焙煎することが可能ですよ。
コーヒー豆は淹れる直前に挽く
モカマタリに限った話ではありませんが、コーヒー豆の風味を最大限に楽しむなら、コーヒー豆は飲む直前に挽きましょう。
コーヒー豆は挽くことによって、酸素に触れやすくなるほか湿気を吸いやすくなり、劣化速度が速まります。
美味しいモカマタリをいただくためにも、飲むときに必要な分だけを挽くようにしましょう。
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豆の挽き方は抽出器具に合わせる
コーヒー豆を挽くときは、抽出器具に合わせて挽くことが大事です。
豆の挽き目と抽出器具が合っていないと、成分がうまく引き出せず薄い味わいになったり、逆に成分が出すぎて雑味のある味に仕上がってしまうことも。
狙った味わいを引き出すためにも、抽出器具に合わせて挽き目を変えるのがおすすめです。
[関連]コーヒー豆の挽き方の種類を解説!挽き目による味の違いや、最適な抽出方法も
モカマタリのおすすめ3選
モカマタリについてお伝えしてきましたが、最後におすすめのモカマタリを3つ厳選してご紹介します。
モカマタリは、収穫量が少ないことに加えて輸入制限されていることから在庫切れの激しい銘柄です。
入荷していたら早めに購入することをおすすめします!
カルディ モカマタリ
ブラックでも美味しく飲める
カルディのモカマタリはひとつの産地から収穫されたストレートコーヒーで、「豆、粗挽き、中挽き、細挽き、極細挽き」から選べます。
焙煎は浅めで、やさしい甘さとコク、芳醇な香りが特徴。酸味と苦味をバランス良く楽しむことができ、ブラックでも美味しく飲めます。
普段とは一味違った味と香りを楽しみたい!という人におすすめのコーヒーです。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 | 200g |
産地 | イエメン |
焙煎 | 浅煎り |
土居珈琲 モカマタリNo.9
苦味と酸味とコクのバランスが整ったコーヒー
土居珈琲のモカマタリは、高品質「No.9」規格のものを用意。
焙煎度合いは苦味と酸味、コクのバランスがちょうど良いシティーロースト。
注文が入ってから生豆を焙煎するため、焙煎したてのモカマタリを楽しむことができますよ。
品のある苦味とフルーティーな香りを感じられ、酸味が少ないことから酸味が苦手な人におすすめしたいコーヒーです。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 | 200g |
産地 | イエメン |
焙煎 | 中煎り |
品種 | - |
bears coffee モカマタリNo.9
浅煎りでマイルドな仕上がり
bears coffeeのモカマタリは、コーヒー豆の受注後にハンドピックされた豆を焙煎士が煎りあげるため、鮮度を保った状態で届けられます。
味を損なうことなくコーヒーを楽しめることがポイント。
甘酸っぱく優雅な香りとモカ独特の酸味、甘く澄んだ爽やかな後味が特徴のコーヒーで、特に女性から人気を集めています。
モカマタリの酸味を存分に味わいたい人にピッタリです。
レビュー
- 酸味
- 苦味
- 甘み
- 香り
- コク
- コスパ
▼商品情報
内容量 | 300g |
産地 | イエメン |
焙煎 | 独自焙煎 |
コーヒー豆の売れ筋ランキングをチェック!
ご参考までに、コーヒー豆の売れ筋ランキングを各サイトにて確認できます。
モカマタリを飲んで味の変化を楽しもう!
イエメン産のモカコーヒー「モカマタリ」は、豊かな酸味と独特な香り、コクを兼ね備えたコーヒーです。
モカマタリは原始的な方法で精製されていることから欠点豆が多いですが、日本では品質の高いNo.9規格のものが多く販売されています。
ちょっと違った風味のコーヒーを試してみたいという人は、この機会にぜひ一度味わってみてください。
一口飲めば不思議な魅力に引き込まれるかもしれませんよ!
船田 弘
コーヒーには、産地の文化的背景も含めて味える…という面白さがあります。
モカマタリの産地は宗教、政治経済、自然環境の面でも色々厳しい環境です。そんな中で育ったワイルドなコーヒーが海を越え、困難を越えてやってきたわけですから。
ハンドピックくらい惜しむことなく、貴重な恵みとして心して味わいたいものですよね。
人気のコーヒーアイテムをランキング形式で厳選してご紹介!
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この記事を監修した人
DONABE-COFFEE 店主
独自の「土鍋焙煎」を確立すべく、2013年10月に沖縄県名護市にコーヒー豆屋をOPEN。自家農園でのコーヒー栽培にも着手し、少量ながら毎年収穫に成功している。2021年「COFFEE SYMPHONY~コーヒーの自給自足を目指す人へ~」(つむぎ書房)を出版。
この記事を書いた人
編集部ライター
高校生のときに自販機で買った甘ったるいアメリカンコーヒーを飲んで、コーヒーの魅力に取り憑かれた編集部ライター。毎日欠かさず飲むほどコーヒー好きで、おそらく社会人になってコーヒーを飲まなかった日はほぼありません。まだ味わったことのないコーヒーを探し求めて、色々なお店に足を運んでいます。