コーヒーコラム

【専門家監修】コーヒー豆にする4種類の精製方法を解説

コーヒーの精製とは?生豆を取り出す4種類の精製方法を解説

いつも飲んでいるコーヒーはコーヒー豆からできています。しかしその前の作業について知っている方は少ないのではないでしょうか。

この記事ではコーヒーの実から種を取り出しコーヒー豆にする、精製についてご紹介します。

精製方法は4種類。ひとつずつみていきましょう。

知ればあなたもコーヒー通になれること間違いなしです。

この記事を監修した人

funada

船田 弘

DONABE-COFFEE 店主

独自の「土鍋焙煎」を確立すべく、2013年10月に沖縄県名護市にコーヒー豆屋をOPEN。自家農園でのコーヒー栽培にも着手し、少量ながら毎年収穫に成功している。

この記事を書いた人

sk

Yuko

編集部ライター

毎日のコーヒーはなくてはならないものである一児の母。自宅でのカフェタイムを充実させるため、コーヒーについて日々研究中です。

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コーヒー豆の精製とは

コーヒー豆の精製

サクランボのような実(コーヒーチェリー)をつけるコーヒーの木。

コーヒーチェリー中の種子がコーヒー豆となります。

豆の状態にするために果肉や殻などを取り除く作業の事を精製と呼びますが、実は4種類もの精製方法があるんです。

味わいや品質に大きく関わってくる精製について知れば、コーヒーがもっとおもしろくなりますよ。

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4種類のコーヒー豆の精製方法

ナチュラル精製(非水洗式)

コーヒーチェリー

ナチュラル精製とは「非水洗式、乾燥式」などとも呼ばれる、スタンダードな精製方法です。

コーヒーチェリーをそのまま天日干しにした後、脱穀によって生豆を取り出します。

つまり、最もシンプルな精製方法です。

水は使用せずに収穫した果実を広げて干すという伝統的なやり方です。

[関連]【専門家監修】コーヒーのナチュラル精製(非水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について

ウォッシュド精製(水洗式)

コーヒーの精製

豆を水に浸し発酵させてから余分なものを取り除き、さらにすすぎ洗いをする製法。

摘み取ったコーヒーチェリーをマシンにかけ、果肉と外皮を取り除きます。

次に豆を水に浸して発酵させた後、定期的に攪拌(かくはん)することでさらに果実などが剝がれます。

最後に大量の水を使ってすすぎ洗いをして乾燥させる、という手順で行われています。

また近年ではウォッシュドのように水につけ、酸素を含む外気に触れさせないように発酵させる、アナエロビック(嫌気性発酵)という精製方法もあります。

[関連]【専門家監修】コーヒーのウォッシュド精製(水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について

ハニープロセス(パルプドナチュラル、半水洗式)

コーヒー豆の精選

ハニープロセスでは、果肉を取る工程はウォッシュドと同じく、水に浸け発酵させて行います。

しかし、ハニープロセスは果肉に含まれる粘液質(ミューシレージ)は残したままにします。

そしてそのまま天日干しにすることでミューシレージが染み込み、独特の味わいを作ります。

このミューシレージとはコーヒーチェリーに含まれている粘液のことで、ミューシレージを残すことで甘みや華やかで個性的な香おりをまとわせ、風味豊かなコーヒーに仕上げることができます。

[関連]【専門家監修】コーヒーのハニープロセス(パルプドナチュラル、半水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について

スマトラ式

コーヒー豆

インドネシア・スマトラ島の伝統的な方法が、スマトラ式という精製方法です。

通常よりも水分量を残して乾燥させます。その後、殻などをさらに取り除き生豆の状態にして2度目の乾燥プロセスへ。

この水分量を通常より残す、乾燥工程が2回という点が他の精製と異なっています。

このスマトラ式を採用している地域は突然の雨が多く、一度の乾燥では乾燥させきれないため、こうした手法が編み出されました。

ただ、乾燥しきっていない状態で加工していくため、豆の変形やカビなどに注意が必要です。

[関連]コーヒーのスマトラ式とは?特徴や味わい、精製手順について

ナチュラル精製(非水洗式)の特徴

ナチュラル製法

水を使わない精製方法のため、水の少ない地域でも可能。気候に影響を受けやすい点も特徴です。

空気の循環を良くするために高床式で干す作業をすることも。果実のまま乾燥させるので発酵が進みすぎないよう、など見きわめが難しいという点もあります。

乾燥させる過程で丁寧にコーヒーチェリーを転がし、腐敗を防ぐことで品質の高いコーヒー豆が出来上がります。

ナチュラル精製の味わい

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果実味にあふれた華やかなフレーバーが特徴的です。

果肉の香りや甘みが生豆に染み込むことで、ベリーのような甘酸っぱさと香りが感じられます。

また、ワインやウイスキーを思わせるような芳醇な味わいにも。

コーヒーチェリーが持つ本来の甘み、美味しさを体験できるのがナチュラル精製です。

ナチュラル精製が使われるコーヒー生産国

雨季と乾季が比較的明確に分かれている、乾燥させるための広い土地がある生産国で採用されています。

水を使用しない方法のため、水の少ない地域で行われています。

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ウォッシュド精製(水洗式)の特徴

ウォッシュド製法

発酵したミューシレージを水で洗い流す点が大きな特徴です。

水路に流す、水洗のタンクに入れるなどして水が透明になるまで洗います。

大量の水を使用して洗うという作業が行われるため、地域によって向き不向きがあります。

気温と水温の適切な管理が必要。欠点豆の出るリスクが少なく、均一性があって質の高いコーヒー豆が生産できます。

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ウォッシュド精製の味わい

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苦味や雑味のないクリアなフレーバー。すっきりとしたクリーンな味わいになります。

大量の水を使って洗い流すので、コーヒーチェリーが持つ野性的な味ではなく、クセのない飲みやすいコーヒーをイメージすると良いでしょう。

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ウォッシュド精製が使われるコーヒー生産国

水を大量に使用するため、水資源の豊富な国で採用されています。

コーヒー豆生産国の約7割がウォッシュド精製を行っているという、一般的な方法。

雨季と乾季がはっきり分かれていない、広い土地を確保できない地域ではこの方法を採用しています。

[関連]【専門家監修】コーヒーのウォッシュド精製(水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について

ハニープロセス(パルプドナチュラル、半水洗式)の特徴

ハニープロセス

コーヒーチェリーが持つミューシレージを除去せずに乾燥を行う方法。

コーヒー豆の味わいや風味をこの作業によって調整します。

ミューシレージの持つ糖分や酸味が生豆に染み込むため、豆自体に甘味や質感が加わります。

ミューシレージの量と乾燥の時間によっても、さらに5種類ほどに分類。

ウォッシュドとナチュラルの良さを兼ね備えた方法とも言われ、採用するところが増えてきています。

ハニープロセスの味わい

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ウォッシュドに近いクリーンな味わいのものから、華やかでフルーツ感たっぷりのものまで豆によってさまざまに分かれます。

残ったミューシレージに十分な糖分が含まれたまま乾燥させるため、甘みやコクが出ることが多いんです。

ハニープロセスと言われるだけあって、ハチミツのような甘みを持っている精製方法です。

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ハニープロセスが使われるコーヒー生産国

大量の水や発酵槽を必要とせず、皮むきさえできれば可能なので山奥などの険しい場所でも行われています。

他の精製方法に比べてハニープロセスはマイナーですが、中南米などで多く採り入れられています。

[関連]【専門家監修】コーヒーのハニープロセス(パルプドナチュラル、半水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について

スマトラ式の特徴

スマトラ式

スマトラ式は、水分が50%ほど残った生豆の状態で脱穀しているのが最も大きな特徴で、乾燥工程が2度に分かれています。

他の方法では、完全に乾燥してから脱穀を行うため1度ですが、スマトラ式では本乾燥があります。

また、スマトラ式の豆はこの独特な製法のため、コーヒー生豆が深緑色をしています。

スマトラ式の味わい

sumatrarefine_taste

スパイシーでハーブのような特徴的な香味があります。

酸味は弱く、コクがある味わい。どっしりとした味の強さから、「大地を思わせるようなフレーバー」と表現されることもあります。

しっかりとした苦味があるため、スイーツとの相性も良いとされています。

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スマトラ式が使われるコーヒー生産国

  • インドネシア

インドネシア・スマトラ島で伝統的に行われている方法です。

熱帯気候で非常に雨(スコール)が多く、長期の乾燥には不向きなためこのような形となりました。

雨の多いスマトラ島だからこそ生まれた、特殊な精製です。

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生産地ごとに精製方法を変える理由

精製方法で仕上がりが変わるため

コーヒー豆の選別

さまざまな条件で分かれる精製方法。同じ品種でも、仕上がりにはそれぞれ個性が感じられます。

適した方法でなければ仕上がりが良くも悪くも全く変わってしまうため、地域に適した精製方法をとる必要があります。

コーヒー豆ごとに風味が異なるため

コーヒーの味わいで選ぶ

コーヒー豆の品種ごとの違いを引き出していく作業でもあるのが精製です。

豆の持つ良さ、風味、甘みなどをしっかりと感じられるものにすることで、その地域ごとの特色を出しています。

スッキリとした味が特徴的なコーヒー豆ならウォッシュドを、甘みを引き出したいならハニープロセスを、といったように分けられます。

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設備や環境が異なるため

設備や環境

気候や水資源にも左右される精製方法。さらには設備がどれくらい適しているのか、なども精製の方法に影響してきます。

地域の環境にきちんと合わせた精製方法を採らなければ、安定した生産が難しくなってしまいます。

コーヒー生豆にとって乾燥させることはとても重要な工程です。

乾燥がどれだけしっかりできるか、こうした気候や水資源によっては精製方法を選ぶことができない、といった環境もあります。

コーヒー豆の精製方法の工程

乾燥

自然乾燥

果肉をつけたまま、取り除いてからなどの違いはありますが、機械や天日干しで乾燥をさせます。

2度の乾燥工程があるのはスマトラ式のみ。腐敗なく保存できるようになるまで、しっかりと乾燥を行う必要があります。

脱穀

生豆

乾燥が終わった状態で30〜60日間ほど貯蔵して豆を寝かせた後脱穀をします。

スマトラ式以外のものはパーチメントと呼ばれる薄皮のようなものがついているため専用の機械で作業して取り除きます。

脱穀と同時に、コーヒーの格付けと選別が行われることが多いようです。

ミューシレージ除去

ミューシレージ除去

ミューシレージとはコーヒーの実、コーヒーチェリーに入っている粘液のことです。

パーチメント部分の外側に付着しています。

粘液であるため、ぬめりがあります。さくらんぼを食べた際に、種の周りが少しぬるぬるしていることがあると思いますが、それと同じような感触です。

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水洗

コーヒーチェリー

水洗によるミューシレージ除去は、発酵槽などに入れて酵素の効力で取り除きます。

またはリムーバーと呼ばれる機械でそのまま除去するという方法もあります。

その後さらにミューシレージの取れた豆を、しっかりと洗浄していきます。

コーヒーを精製方法で選んでみる

1969年にANACAFEが設置され大きく盛り上がっていく

コーヒーの品質、味わい、そして個性を決定する精製。コーヒー豆を選ぶ上で忘れてはならない大切な工程ではないでしょうか。

コーヒー豆を購入するときにはこの精製方法も味を決めるポイントのひとつになる、とぜひ覚えておきましょう。

ぜひご紹介した4種類の精製方法を参考にしながら、コーヒーを楽しんでみてくださいね。まったく異なる味わいに驚くかもしれませんよ。

コーヒーの精製方法のよくある質問

Q. コーヒー豆の精製とは?

コーヒー豆として飲めるようにするまでには、さまざまな精製・加工を通して完成することとなります。

その中でも精製はとても重要な部分で、収穫したコーヒーチェリーを生豆の状態にする過程を精製と言います。

Q. ウォッシュド精製とナチュラル精製の違いは?

摘み取ったコーヒーチェリーの果肉と外皮を取り除いてから水で洗って乾燥させるのがウォッシュド精製、果肉のまま乾燥させるのがナチュラル精製です。

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この記事を監修した人

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船田 弘

DONABE-COFFEE 店主

独自の「土鍋焙煎」を確立すべく、2013年10月に沖縄県名護市にコーヒー豆屋をOPEN。自家農園でのコーヒー栽培にも着手し、少量ながら毎年収穫に成功している。2021年「COFFEE SYMPHONY~コーヒーの自給自足を目指す人へ~」(つむぎ書房)を出版。

この記事を書いた人

nari

Yuko

編集部ライター・営業

コーヒーフレーバーのお菓子は見かけたら必ず買ってしまうほど大好きです。コーヒー好きの両親の影響で、中学生からドリップしていました。カフェや喫茶店はもちろんですが、子どもがいるため自宅でゆっくりとコーヒーを楽しんでいます。

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