コーヒーチェリー(コーヒーの実)から、コーヒー豆にする作業のことを精製と呼びます。
この記事ではいくつかある精製方法のうち、ハニープロセスについてご紹介します。
具体的にはどんな手順で行われるのか、他の精製方法との味わいの違いなども詳しく解説します。
特徴的な味・風味が魅力的なハニープロセス。スペシャルティコーヒーなどでもハニープロセスが使われています。
詳しく知ると、よりコーヒータイムがおもしろくなりますよ。
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もくじ
コーヒーのハニープロセス(パルプドナチュラル、半水洗式)とは
ハニープロセスとは、コーヒー豆の精製方法のひとつであり、「パルプドナチュラル、半水洗式」などとも呼ばれます。
最も大きな特徴はミューシレージと呼ばれる粘液質を取り除かずに乾燥させる、という工程があることです。
ミューシレージを残したまま乾燥させる点が、ハニープロセスによって精製されたコーヒー豆の1番のポイントと言えます。
ミューシレージの残し方で味わいが変わる
ミューシレージには果実の甘み・酸味成分が含まれています。
このミューシレージを残したままにすることでコーヒー豆には甘みがしっかりと染み込む、という仕組み。
フルーティーな風味も感じられます。多ければ多いほど、甘く風味が強いコーヒー豆に。
またミューシレージの残し方によっても呼び名が分けられています。
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ハニープロセスとパルプドナチュラルの違い
ハニープロセスとパルプドナチュラルは一緒くたにされることが多く、実際のところほぼ違いはありません。
基本的に精製過程は同じなのですが、「用語が示す意味の範囲」に少し違いがあると思われます。
その範囲の違いとはどういったものなのか、それぞれ解説します。
パルプドナチュラルとは「果肉を除いて天日乾燥する」精製過程全般を示す用語
パルプドナチュラルを直訳すると、「果肉を除いて天日乾燥させる」といった意味合いになります。
ナチュラル精製、ウォッシュド精製にならぶ、「精製方法の一類型」と考えて良いでしょう。
ナチュラル精製よりも乾燥時間の短縮化が見込める上に、ウォッシュド精製よりも豆に個性をつけやすい精製方法になります。
さらに、水が貴重な地域や、日照条件が乏しい地域でも採用しやすい方法で、環境保全の観点からも優れた精製方法とも言われています。
そのためパルプドナチュラルは、「ウォッシュドとナチュラルのいいとこどりの精製方法」であるとも言えるでしょう。
ハニープロセスはミューシレージの発酵と乾燥過程を示す用語
ハニープロセスは、よりコーヒーの風味や味わいを向上させるために考案されました。
発酵の素ともいえる「糖分」を含む、ミューシレージをつけたまま乾燥させることにより、独特の風味豊かな発酵香等を豆にまとわせることができます。
精製方式全体を示す言葉というよりは、「ミューシレージの発酵と乾燥」に限定した過程を示す用語と考えられます。
つまり、「パルプドナチュラル精製」の中の一工程が「ハニープロセス」であるという認識で良いでしょう。
コーヒーのハニープロセス(パルプドナチュラル)の特徴
甘みや華やかな香りが楽しめる精製方法
名前通りの、ハチミツのような甘みのある味わいが特徴的です。
またフルーティー感がありワインやチョコレートのような芳醇さを持つ、華やかな香りも魅力。
飲んだ後の余韻もしっかりと感じられるような、奥深いコクのあるコーヒーに仕上がります。
[関連]フルーティーで華やかな香りのコーヒー人気おすすめランキング
ウォッシュド精製よりも節水や時短ができる
大量の水を使って不要なものを除去していくウォッシュド精製。
ハニープロセスはほとんど水を使わずに行うことが可能です。
節水できるため環境にも優しく、コーヒーの生豆として出来上がるための時間も少なく済む、という特徴もあります。
[関連]【専門家監修】コーヒーのウォッシュド精製(水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について
コーヒーのハニープロセスの種類
ミューシレージがどれくらい残っているか、で呼び名が分けられています。
どの程度のミューシレージを残すのか、どの程度残せばどんな味わいになるのか、というのは日々研究されています。
現在では代表的な種類がこの5つであっても、数年先になればまた新しい種類が誕生している、というのはなんだかワクワクしますよね!
それぞれ詳しくみていきましょう。
ブラックハニー
ミューシレージを全く除去しないもの。
ミューシレージは粘液質のためベトベトしています。
そのため、乾燥にも時間がかかり1ヶ月ほどの時間を要します。
力強くワイルド感のある甘みが特徴です。
レッドハニー
ミューシレージを70%以上残してあるもの。除去率は0~25%ほどのものが多くなっています。
こちらも乾燥に時間がかかるため、乾燥期間は約1ヶ月。
豆の旨味がぎゅっと濃縮された味わいが楽しめます。
イエローハニー
およそ半分の、50%ミューシレージを残して乾燥させたもの。
ブラックハニー・イエロハニーと比較すると、乾燥期間はやや短く2~3週間ほどです。
甘みはしっかりとありますが、バランスがよくハニープロセスの良さを感じられる味わいです。
ゴールデンハニー
ミューシレージを75~80%取り除いたものがゴールデンハニーです。
やわらかな味わい、優しい甘さが特徴。除去率が高いため乾燥期間は短く、約1週間です。
ホワイトハニー
ミューシレージを90%以上取り除いています。
ほとんど残っていないため、甘さもすっきりとした口あたりになります。
爽やかな白ワインのような風味があるのも特徴です。
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コーヒーのハニープロセス(パルプドナチュラル)の精製手順
1. コーヒーチェリーの収穫
1つひとつ、手摘みなどによって丁寧に収穫されているところがほとんどです。
この時点で熟したものだけを選び、未熟なものや不良なものは選別しながら作業が行われます。
[関連]【専門家監修】コーヒーの木の育て方と三大原種のアラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種
2. 果肉除去
ミューシレージを残したまま、という特徴的な方法のため果肉のみを取り除きます。
サクランボの種の周りにつく、ヌルヌルのようなミューシレージが付いたままの状態です。
3. ミューシレージ除去
ミューシレージを水に漬けるなどして取り除く作業。
この際どれくらい除去をするかでコーヒーの味わいがい大きく変わるため、さまざまに工夫されて作業が行われています。
農園ごとなど、それぞれに特色を持たせています。
[関連]【専門家監修】コーヒーチェリーとは?真っ赤なコーヒーの実の構造や精製過程
4. 天日乾燥
ミューシレージの除去率が低いものほど乾燥に時間がかかります。
細やかに管理しながら、ほどよい水分量になるように丁寧な作業をすることが大きなポイント。
カビや乾燥させすぎなど味わいに特に大きく関わる作業でもあります。
5. 脱穀
乾燥が終わると30~60日間貯蔵してから、脱穀をします。
パーチメントと呼ばれる、余分な殻などを取り除く作業です。
またこの時に欠点豆の除去や、コーヒーの格付けが行われます。
6. 生豆
生豆の状態で出荷へ。
コーヒー豆と聞いて連想する、茶色や黒みがかった色は焙煎されたもの。
生豆は薄い茶色、クリーム色、灰色などをしています。
生豆は麻袋や保護材などに包まれて世界各地へ輸送されていきます。
コーヒーのハニープロセス(パルプドナチュラル)が有名な国
コスタリカ:ハニープロセス
狭い国土であるが故に、コーヒー生産・品質向上に力を入れているコスタリカ。
小規模農家が多く、それぞれの農園で工夫されたコーヒー豆を作っています。
オリジナリティのある味わいを作るため、という目的でハニープロセスが多く採用されています。
[関連]コスタリカコーヒーの特徴や味わいと等級や歴史、美味しい淹れ方・飲み方を解説
ブラジル:パルプドナチュラル
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広大な土地があり、大規模な農園の多いブラジル。そのため、収穫の際も機械によって行われることがほとんどです。
収穫をしながら未熟豆を選別できないため、豆を選別する目的で行われているパルプドナチュラルが主流になっています。
その他のコーヒー精製方法
ナチュラル精製(非水洗式)
水を使わない精製方法です。そのまま乾燥を行うため、気候に影響を受けやすいという点も特徴。
果実のまま乾燥させるので発酵が進みすぎないよう、など見極めが少々難しいという点もあります。
乾燥させる過程で丁寧にコーヒーチェリーを転がし、腐敗を防ぐことで品質の高いコーヒー豆が出来上がります。
[関連]【専門家監修】コーヒーのナチュラル精製(非水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について
ウォッシュド精製(水洗式)
発酵したミューシレージを水で洗い流す点が大きな特徴。水路に流す、水洗のタンクに入れるなどして水が透明になるまでしっかりと洗います。
大量の水を使用して洗うという作業が行われるため、地域によって向き不向きがあります。
欠点豆の出るリスクが少なく、均一性があって質の高いコーヒー豆が生産できます。クリアな味わいも魅力です。
[関連]【専門家監修】コーヒーのウォッシュド精製(水洗式)とは?特徴や味わい、精製手順について
スマトラ式
スマトラ式は水分が50%ほど残った、生豆の状態で脱穀しているのが最も大きな特徴。また、乾燥工程が2度に分かれています。
他の方法では完全に乾燥してから脱穀を行うため1度ですが、スマトラ式では本乾燥があるため。
また、スマトラ式の豆はこの独特な製法を行うことから、コーヒー生豆が深緑色をしています。
[関連]コーヒーのスマトラ式とは?特徴や味わい、精製手順について
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この記事を監修した人
DONABE-COFFEE 店主
独自の「土鍋焙煎」を確立すべく、2013年10月に沖縄県名護市にコーヒー豆屋をOPEN。自家農園でのコーヒー栽培にも着手し、少量ながら毎年収穫に成功している。2021年「COFFEE SYMPHONY~コーヒーの自給自足を目指す人へ~」(つむぎ書房)を出版。
この記事を書いた人
編集部ライター・営業
コーヒーフレーバーのお菓子は見かけたら必ず買ってしまうほど大好きです。コーヒー好きの両親の影響で、中学生からドリップしていました。カフェや喫茶店はもちろんですが、子どもがいるため自宅でゆっくりとコーヒーを楽しんでいます。