淹れ方によって、自分好みの味わいを引き出せるハンドドリップ。
ドリッパーやフィルターなど必要な器具さえ準備すれば、自宅でも本格的なコーヒーを楽しむことができます。
ただ理想の味わいを引き出すためには、経験だけでなく基礎知識も必要となってくるでしょう。
そこで今回はハンドドリップの基本的な淹れ方やメリット、美味しく淹れるコツをご紹介していきます。
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コーヒーYouTuber
山梨の調理師専門学校を卒業後、京都でフレンチやレストランサービス、アフタヌーンティーサービスなどを学びました。学生時代からYouTuberとしての活動も行い、現在は独立して複数チャンネルを運営中。
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もくじ
ハンドドリップとは?
ハンドドリップとはコーヒーメーカーなどを使わずに、手動でコーヒーを淹れる方法のひとつです。
ペーパーフィルターなどにコーヒー粉を入れ、上からお湯を注ぐことで香りや旨味成分を抽出します。
手順は非常にシンプルなので、自宅でも喫茶店やカフェのような味わいを楽しみたい方にもハンドドリップがおすすめです。
ハンドドリップでコーヒーを淹れるメリット
自分好みの味わいをコントロールできる
ハンドドリップは同じ銘柄の豆でも淹れ方によって味や香りが変わるので、自分好みの美味しさを探究できるのが魅力です。
慣れてくれば注ぎ方をコントロールして風味に変化をつけることができ、その日の気分に合ったコーヒーを淹れることができます。
またインスタントコーヒーなどに比べて多少の手間がかかりますが、集中してコーヒーを淹れる贅沢な時間も味わえますよ。
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必要最低限の器具があればすぐに始められる
ハンドドリップはドリッパーやフィルターなど必要最低限の器具を購入すれば、初心者の方でもすぐに始められます。
使う器具が少なく価格もリーズナブルなものが多いので、手軽に始められるのも魅力です。
器具自体の構造も複雑ではなく洗うのも楽なので、毎日続けやすいのもハンドドリップの大きなメリットといえます。
ハンドドリップに必要な道具
まずは、ハンドドリップに必要なものを準備します。
ペーパーフィルターやコーヒーサーバーの形状はメーカーやサイズで微妙に違うので、ドリッパーに合わせたものを選ぶようにしましょう。
また、やかんなど注ぎ口の広い器具を使うとお湯の調節が難しいので、注ぎ口が細いドリップポットを使うのがおすすめです。
ハンドドリップの基本的な淹れ方
今回はハンドドリップの中で最もスタンダードな、ペーパーフィルターを使った淹れ方をご紹介します。
1. 抽出する分のコーヒー豆を用意する
まずコーヒーカップ1杯分(約140ml)に対して、コーヒー豆10~12gを用意します。
用意した豆は、中細挽き〜中挽き(グラニュー糖より少し粗いくらい)になるようにコーヒーミルで挽きましょう。
あらかじめ挽いてあるコーヒーを使いたい方も、中細挽き〜中挽のものを使うのがおすすめです。
2. ペーパーフィルターを折ってドリッパーにセットする
コーヒー粉を準備したら、フィルターの底の接着部分を外側に折り、次に側面の接着部分を内側に折ってからドリッパーにセットしましょう。
接着部分を折らないとフィルターが破損したり、フィルターとドリッパーの間に隙間ができてしっかりと抽出ができなくなってしまいます。
そのためきちんとフィルターを折ってから、ドリッパーにセットしてください。
3. お湯を沸かす
ペーパーフィルターをセットしたらお湯を沸かします。
ドリップをする際のお湯の温度は、コーヒーの持つ苦味・甘み・酸味をバランスよく抽出しやすい、90~95℃前後が理想的です。
また、お湯を沸かして大きめの泡がボコボコと少し出始めたときが大体90~95℃になるので、温度計がない方はこのくらいを目安にしましょう。
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4. 湯通ししてドリッパーを温める
お湯を沸かし終えたら、粉を入れる前にドリッパーとフィルターを湯通しします。
冷たくなりやすい陶器・磁器製ドリッパーの場合、湯通しせずにドリップしてしまうと、お湯がドリッパーに触れた途端に温度が下がり、抽出されるコーヒーの味が不安定になります。
フィルターには様々な種類がありますが、中には「紙臭い」と感じられるものもあるので一緒に湯通しをしておけば、ニオイが抜けて安心です。
またフィルターがドリッパーにしっかりと密着して安定した抽出ができるので、必ず湯通しをしてから使うようにしましょう。
この作業を行うことでコーヒーサーバーも一緒に温めることができるため、淹れたての美味しさを守ることにも繋がります。
5. フィルターにコーヒー粉を入れる
ドリッパーを温めたら1度お湯を捨てて、ペーパーフィルターにコーヒー粉を入れます。
全体にムラなくお湯が注げるようにドリッパーを軽く振り、入れたら粉の表面を平らにならしておきましょう。
6. 少量のお湯を粉全体に注いで蒸らす
コーヒー粉を入れたら、まず「蒸らし」を行います。
この作業によって旨味成分がよりしっかりと出やすくなり、余分なガスが放出されることでドリップも安定します。
少量のお湯(20mlほど)を粉全体にまんべんなく行き渡るように注ぎ、20秒~30秒ほどそのままにしておきましょう。
7. ゆっくりと「の」の字を描くように一定量のお湯を数回に分けて注ぐ
20~30秒ほど蒸らしたら、ゆっくりと「の」の字を描くように2~3回ほどに分けてお湯を注いでいきます。
このとき、粉の厚みがない端の部分やフィルターに直接お湯を注ぐとムラができてしまうので、粉を中心に注ぐようにしてください。
8. 抽出終了
お湯を注ぎ終わったら、コーヒーサーバーからドリッパーを外して完成です。
ドリッパー内のお湯が落ちきる前に外せば、雑味の少ないコーヒーに仕上がります。
また、コーヒーを注ぐカップをあらかじめ温めておけば、より美味しくコーヒーをいただけますよ。
ハンドドリップで美味しいコーヒーを淹れるコツ
コーヒー豆はドリップの直前に挽く
コーヒー豆はドリップの直前に挽くようにしましょう。
コーヒー豆は空気に触れる時間が長いと酸化が進み、えぐみや雑味などが出やすくなってしまいます。
またコーヒーは豆を粉砕した瞬間にもっとも香り高くなるので、淹れる直前に挽くことでより一層美味しく味わえます。
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挽き方は中挽き~中細挽きがおすすめ
コーヒー豆には色々な挽き方があり、淹れ方や飲み方によって挽き方が変わります。
ハンドドリップで淹れるときは、中挽きや中細挽き程度に挽くのがおすすめです。
中挽き~中細挽きに挽いた粉を使えば、酸味・苦味・甘みのバランスがとれたコーヒーを淹れることができますよ。
[関連]コーヒー豆の挽き方の種類を解説!挽き目による味の違いや、最適な抽出方法も
お湯の温度は焙煎度合いに合わせる
コーヒーを抽出するときは、お湯の温度にもこだわりましょう。
コーヒー豆にお湯を注ぐと、酸味や甘みから先に抽出され、その後に苦味やえぐみといった成分が出やすくなります。
そのため、焙煎度合いが深いものほど抽出温度は低く、浅いものは高めが良いでしょう。
目安温度は以下です。
深煎り、中深煎り | 88℃~90℃ |
中煎り、浅煎り | 94℃~92℃ |
焙煎度合いに合わせてお湯の温度を変えてみると、より美味しく淹れられるようになりますよ。
より美味しさを追求するなら水にもこだわる
日本の水道水の水質は世界的にみても高水準なので、十分美味しいコーヒーを淹れられます。
さらにコーヒーを美味しく飲みたい!というのであれば、水にもこだわってみるといいでしょう。
マイルドな味わいを求めるなら軟水を、エスプレッソなど苦味をしっかりと味わいたいなら硬水がおすすめです。
美味しいコーヒーを淹れるなら豆にもこだわることが大切
美味しいコーヒーを淹れるなら、使用するコーヒー豆にもこだわることが大切です。
コーヒー豆は産地によって酸味や苦味が強いものや甘みがあるものなどがあり、精製方法や焙煎方法によっても変わってきます。
また美味しいコーヒーを味わうには豆の鮮度も重要なので、そこも考慮して自分好みの豆を選ぶようにしましょう。
ハンドドリップで自分好みの美味しい1杯を見つけよう!
今回は、ハンドドリップでの美味しいコーヒーの淹れ方をご紹介いたしました。
ハンドドリップの淹れ方は人によって言っていることが異なるので、どれが正しいのか混乱してしまうかも多いかと思います。
しかし重要なのは、ハンドドリップの基本を知って自分好みの味わいを見つけられるかどうか。
今回ご紹介した淹れ方を参考にして、自分なりの味わいのバランスを探してみましょう。
ハンドドリップのよくある質問
Q. お湯の温度による味の違いはありますか?
A. お湯の温度が高いと苦味成分が抽出されやすく、逆に温度が低いと酸味成分が出やすくなります。
Q. 抽出時間によっても味わいは変わりますか?
A. 抽出時間が長くなるほど、コーヒーの成分がより多く抽出されるのでコクと苦味がしっかりと抽出されます。
また抽出時間が短いほど苦味よりも酸味が抽出されやすく、あっさりとした味わいに仕上がりますよ。
Q. ハンドドリップには豆と粉どちらがよいですか?
A. 豆は粉に比べて空気の触れる面積が少なく、劣化するスピードが遅いので豆がおすすめです。
さらに淹れる直前にミルで挽けば、挽きたての香りを楽しむことができますよ。
Q. ペーパーレスドリッパーとは何ですか?
A. ペーパーフィルターを使わずにコーヒーが淹れられるドリッパーです。
フィルターでカットされてしまうコーヒーオイルもしっかりと抽出できるので、豆本来の味をダイレクトに味わいたい方におすすめです。
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この記事を監修した人
コーヒーYouTuber
学生時代からYouTuberとしての活動も行い、京都の珈琲店とコラボレーションした豆の販売、コーヒースタンドの臨時営業、イベント参加、メディア出演なども行っています。コーヒーの世界は奥深いですが、僕はその中でも「楽しさ」「おいしさ」「気軽さ」を多くの方に知って欲しくて活動しています。
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編集部ライター
酸味と苦味のバランスがとれた、香り豊かなコーヒーが好きな編集部ライター。京都の昭和レトロな喫茶店で飲んだコーヒーに感銘を受け、そこからコーヒーに興味を持つ。目覚めの1杯で気分をスッキリさせたり、帰宅後はコーヒーにミルクを入れてホッとひと息付いたりと、毎日コーヒーのある生活を楽しんでいます。