コーヒーコラム

【バリスタ監修】フォームミルクとは?特徴やスチームミルクとの違い、上手な作り方

フォームミルクとは?

カプチーノやカフェラテ・カフェモカなど、ミルクを使った様々コーヒーは様々あります。

どれも似たようなものですが、その違いにはフォームミルクやスチームミルクの使用の割合が大きく関係しています。

今回はフォームミルク(フォームドミルク)にクローズアップして、フォームミルクの特徴やスチームミルクとはどう違うのか。

フォームミルクはどのように作るのかなどをわかりやすく解説していきます。

この記事を監修した人

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小熊 美佑紀

JCQA認定コーヒーインストラクター、バリスタ

スターバックスで働いたのがきっかけで、コーヒーの楽しさを知りました。在籍当時はブラックエプロンを取得。その後、いくつかの個人店でバリスタをしています。

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もくじ

フォームミルクとは?

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そもそも「フォームミルクやスチームミルクって何だろう?」と具体的には想像ができない方も実は多いのではないでしょうか。

カプチーノやカフェラテなどミルクを使ったコーヒーの場合、フォームミルクとスチームミルクの2種類が含まれています。

同じミルクでも両者の口当たりには大きな違いがあるのです。

カフェに行くと、あまりにもコーヒーを使った飲み物のメニューが多くて「どこが違うの?」と戸惑った経験がある方も多いはず。

ドリンクを作る材料が違うこともありますが、フォームミルクとスチームミルクの配分が違うだけといったケースもよくあります。

まずはフォームミルクの特徴がどんなものか、スチームミルクとの違いはなんなのかについてご説明します。

[関連]カフェラテとカプチーノの違いとは?ミルクの量や口当たり、味わいの違い

フォームミルクとは空気を含んだ泡状のふわふわミルク

カプチーノ

エスプレッソマシンで蒸気を発生させて、液体のミルクをスチーミングして空気を含ませます。

その際にミルクと気泡(フォーム)が混じり、細かい気泡が集まった状態になるため、ふわふわの泡状になったミルクになります。

この泡状のふわふわミルクを、「フォームミルク」や「フォームドミルク」と呼ぶのです。

泡状と言っても大きな泡ではなく、きめの細かい泡であり、フォームミルクを使うドリンクでは、カフェラテ・カプチーノがあります。

ただ温めたミルクを使うのではなく、フォームミルクをいれることで、コーヒーをより美味しく味わい深くできるのです。

紅茶だとティーラテでもフォームミルクは使われますね。

[関連]【バリスタ監修】フォームミルクとは?上手な作り方やスチームミルクとの違い

スチームミルクとは蒸気で温められた液状のミルク

カフェラテ

エスプレッソマシンで蒸気を発生させて、液体のミルクをスチーミングして空気を含ませるのですが、全てがフォームミルクのように泡にはなりません。

蒸気で温められて出てきた液状のミルクを「スチームミルク」と呼びます。

スチームは英語で書くと「steam」であり、蒸気という意味です。

フォームミルクを作る過程で、スチームミルクも同時にできるため違いが分かりにくく、混同されやすいです。

スチームミルクは泡になり切らなかったミルクともいえ、スチームミルクを使ったドリンクはカフェオレやホットミルクがあります。

[関連]スチームミルクとは?特徴や美味しい作り方をご紹介!

フォームミルクの特徴

きめが細かくツヤのある泡

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フォームミルクはきめ細やかでツヤのある泡なので、昨今人気のラテアートには欠かせない存在です。

フォームは英語で書くと「foam」となり、小さな泡のかたまりを意味します。

同じ泡でも「バブル(bubble)」とは違い、細かい気泡が集まったものがフォームです。

いかにきめ細やかでツヤのある泡を作り出すかが、美味しいカプチーノ・カフェラテを淹れられるかに左右します。

ラテアートの際には美しくデザインができるかにかかわってきますよ。

[関連]ラテアートの作り方をプロが徹底解説!初心者でもできるその方法とは?

口当たりが優しい

飲む

きめ細やかに泡状になったフォームミルクは、コーヒーの口当たりを優しくマイルドにしてくれ、コーヒーを飲みやすくする役割もあります。

フォームミルクが入ったコーヒーは美味しいですよね!

コーヒー名はフォームミルクとスチームミルクの割合で変わる

フォームミルクとスチームミルクの違いが分かったところで、この2つの組み合わせ割合で名前が変わるコーヒーについて簡単に説明していきましょう。

カプチーノフォーム5スチーム5
カフェラテフォーム1スチーム9
カフェモカフォーム4スチーム6
カフェ(エスプレッソ)マキアートエスプレッソ1フォーム1

基本的には全く同じミルクですが、スチームミルクを使うかフォームミルクを使うか、また割合はどれくらいなのかによって、コーヒーの名称が変わるのです。

カプチーノはフォーム5:スチーム5の割合

カプチーノ

エスプレッソをベースに、フォームミルクとスチームミルクを5:5の割合で淹れて3層になったものがカプチーノです。

さらにフォームミルクの割合が多くなると「ドライカプチーノ」、スチームミルクの割合が多くなると「ウェットカプチーノ」という名前に変化します。

きめ細かい泡であればあるほど、カプチーノの味わいはよくなるとされます。

カプチーノはカフェラテに比べ、スチー厶ミルクの量が少ないため、必然的にエスプレッソの味わいをしっかりと濃く感じるのが特徴です。

日本では食後のお口直しなどで飲むことも多いカプチーノですが、カプチーノの発祥国・イタリアでは朝に飲むことが多いです。

イタリアのカフェで夜にカプチーノをオーダーしたら、店員さんが不思議な顔をすることもあるのだとか。まさにお国変われば…です。

[関連]カプチーノとは?カフェラテ・カフェオレとの違いや作り方、美味しい飲み方を解説

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カフェラテはフォーム1:スチーム9の割合

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エスプレッソをベースにし、フォームミルクとスチームミルクを1:9(お店によっては0:10)の割合で淹れたもので、フォームミルクは表面が覆われる程度に使用されることが多いです。

人気のラテアートはこのカフェラテでデザインされたものです。

ハートの形や木の葉の形など、お店でオーダーしたことがある方もいらっしゃるでしょう。

カプチーノと同じくこちらもイタリア発祥のドリンクですが、苦味のあるエスプレッソにミルクの甘さがあいまって、ブラックコーヒーは苦手でもカフェラテのファンという方も多いと思います。

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カフェラテとカフェオレの違いは「コーヒーの抽出方法」と「ミルクの分量」

ちなみにカフェラテとカフェオレの違いですが、カフェオレは「ドリップコーヒー」にミルクを加えたもので、「5:5の配分」です。

同量ずつ入れるので牛乳の割合はやや少なくなり、コーヒー感がありがなら、スッキリとした味わいになります。

また、スチームミルクではなく単に温めた牛乳を使うのも特徴の1つです。(スチームミルクのみを使う場合もあります)

対してカフェラテはエスプレッソとたっぷりのミルクを使うので、カフェオレよりも濃厚でミルクの味わい・甘さを強く感じられます。

カフェオレはフランス発祥ですが、コーヒーがフランスに入ってきた当時は、苦い飲み物という認識で、砂糖はちみつを入れていたそうです。

ある時フランス人の医師が「牛乳を入れて飲むことを思いついたのがきっかけ」だと言われてます。

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カフェモカはフォーム4:スチーム6の割合

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カフェモカはエスプレッソと同じくらいのチョコレートシロップや、ホイップクリームが加わったものです。

エスプレッソをベースにして、フォームミルクとスチームミルクを4:6の割合で淹れ、お店によってもアレンジが違います。

濃厚なエスプレッソにプラスでチョコレートの甘さとミルクのコクがあり、ほろ苦さと甘みの両方を感じられるので、コーヒー愛好家はもちろんそれ以外の人にも人気があります。

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カフェ(エスプレッソ)マキアートはエスプレッソ1:フォーム1の割合

cafemacchiato_003

エスプレッソがベースで、スチームミルクはいれません。

マキアートはイタリア語で「染み」という意味があります。

その名の通りエスプレッソの上に、フォームミルクをスプーン1杯程度、ほんの少し乗せてつくるので、まるで「染み」ができたように見えることから来ています。

一般的に、エスプレッソとフォームミルク「1:1」の割合で作られます。お店によっては「8:2」で作る場合もあるそうです。

イタリアではエスプレッソと同じく、デミタスカップで出されることが多いです。

デミタスカップとは60~90mlの容量の小さなカップのことを指します。

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エスプレッソマシンで美味しいフォームミルクを作る方法

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エスプレッソマシンには手軽にフォームミルクを作れるものも増えてきていますが、実際にやってみるとなかなか難しいもの。

その手順も説明書によっては難しいものがあるので、大まかな手順をご紹介しておきます。

1. ピッチャーによく冷えたミルクを少し多めにいれる

成分無調整乳の乳脂肪分3.5%~4%のミルクが作りやすいです。

冷たいミルクを使用することで、温度が適温に上がるまでにかかるスチーム時間を長く取れるため、きめ細かいフォームミルクにすることができます。

また、ピッチャーに多めに入れることで失敗(ぼそぼそな泡のフォームミルク)の確率が低くなり作りやすくなります。

2. スチームノズルを少しだけ空ふかし

スチームノズルの中に入っている余分な水分を捨てるため、1~2秒ほど空ふかししてください。

そうすることでミルクが余分に薄まらなくなります。

3. ミルクの中にノズルを入れてバルブを全開

空ふかしが終わったら、スチームノズルの先端をピッチャーに入ったミルクの中に入れてバルブを一気に全開にし、スチームをスタートします。

ノズルを入れる深さはミルクの液面から1センチ程度が理想的であり、スチーム中にノズルをミルクから外すと派手に飛び散る危険があるので注意が必要です。

4. チリチリの音はフォームミルクが出来ている合図

空気を入れることを意識しつつ、チリチリの音になってきたらフォームミルクができている合図です。

5. 対流と攪拌を意識

対流とは熱源によって液体や気体が上下左右に移動し循環する熱の伝わり方です。

この対流を利用してミルクをしっかりと攪拌させる(ぐるぐる混ぜる)ことできめ細かいフォームミルクになります。

ピッチャーの中のミルクが、やや斜めの横回転(渦のようなイメージ)を起こして攪拌しているのが理想的です。

6. 温度は60~65℃が大事な目安

十分なフォームミルクができたらノズルをミルクの下に入れて温度が60~65℃くらいに上昇するまで待ちましょう。

低温の方が甘さを感じやすいですが、あとは好みになります。

スチームを止めてノズルを外します。

ミルクの成分は65℃を超えると分離して口当たりが悪くなるので、この点も注意してください。

7. 最後の1振動で泡を整えるのがポイント

ミルクピッチャーの底をテーブルなどに軽く打ち振動を起こすことで、大きめの泡が壊れきめ細かい泡が整って、美しいフォームが残ります。

8. 出来上がったミルクはすぐにカップに注ぐ

最後にダスターでノズルについたミルクを拭いて、再度空ふかしをし、ノズルに入り込んでしまったミルクをしっかりと出し切りましょう。

これを行わないと、機械の故障にも繋がります。

せっかくスチーミングしたミルクは放置してはいけません!

時間が経つにつれて、分離して、上部のフォームミルク、下部のスチームミルクに分かれてしまうからです。

これでは、カップに注いだときにどちらか一方が多く入ってしまい、本来のカフェラテやカプチーノにならなくなりますし、ミルクの甘さも感じにくくなります。気をつけてくださいね。

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美味しいフォームミルクをミルクフォーマーで作る方法

ミルクフォーマー,撹拌

手動にもかかわらず手軽にフォームミルクを作れる「ミルクフォーマー」。

ミルクフォーマーを使えばきめ細かいミルク泡を作ることができるので、ぜひ作り方をマスターしましょう。

1. ミルクを60~65℃に温める

エスプレッソマシンがない時は、ミルクフォーマーで代用が可能です。

成分無調整乳の乳脂肪分3.5%~4%のミルクを60~65℃に温めてください。

2. ミルクフォーマーを上下に動かして泡立てる

ミルクが温まったらミルクフォーマーにいれて上下に動かします。

ミルクフォーマーはフローサーを上に動かすと空気が入り、下げるとミルクがかき混ぜられてフォームミルクを作ることができます。

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美味しいフォームミルクを泡立て器で作る方法

1. ミルクを65℃に温めよう

本格的なものを作るのは正直難しいですが、どこのご家庭にもある泡立て器でも作ることができます。

まずは成分無調整乳の乳脂肪分3.5%~4%のミルクを65℃に温めるようにしましょう。

2. 泡立て器で表面に沿って泡立てる

温めたミルクを空気が入るように意識しつつ、泡立て器で表面に沿って泡立ててください。

3. スプーンで泡だった部分をすくおう

泡立った部分がフォームミルクなので、スプーンですくえば完成です。

フォームミルクを作るときは「成分無調整乳」がおすすめ

牛乳 ミルク

牛乳の種類は成分調整乳や低脂肪乳、乳飲料などの種類があります。フォームミルクを作る際は「成分無調整乳」と表記されている牛乳がおすすめです。

成分無調整乳」とは製造工程で牛乳の乳脂肪分を調整していない生乳のこと。また成分無調整乳の中でも乳脂肪分が3.5%~4%のものが良いでしょう。

乳脂肪分が多い牛乳は泡立ちが良く、コクのあるきめ細かいミルクを作ることができますよ。

まとめ

今回はフォームミルクとは何か、スチームミルクとの違いやフォームミルクを使ったコーヒーの種類についてお話ししてきました。

エスプレッソマシンがおうちにあればベストですが、電動のミルクフォーマーはネットでも最近は安く販売されています。

手軽に買えますので、そういった方法でフォームミルクを作ってみるのもいいのではないでしょうか。

いつものコーヒーよりワンランクアップした味わいに。

ぜひあなたも一度自分でフォームミルクを作り、カフェラテやカプチーノをおうちで作ってみませんか?

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小熊 美佑紀

小熊 美佑紀

JCQA認定コーヒーインストラクター、バリスタ

過去にバリスタチャンピオンシップ出場経験があり、エスプレッソやコーヒーの更なる魅力に取り憑かれ、バリスタとして「誰かの心に残るコーヒーを提供できる人でありたい」そんな想いで現在もコーヒーを淹れています。

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