カプチーノやカフェラテには、フォームミルクとスチームミルクの2種類のミルクが使われています。
そしてミルクの割合で、それぞれコーヒーの呼び方が違うのはご存じですか?
今回はスチームミルクに焦点をあててフォームミルクとの違いや特徴、美味しいスチームミルクの作り方などを解説していきます。
ぜひご家庭で本格的な味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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もくじ
スチームミルクとは?
まず、スチームミルクやフォームミルクの違いがはっきりと認識できていない人もいるかと思います。
スチームミルクとは、蒸気で温めることによって作られるミルクのこと。
蒸気で温めただけのミルク、とも言えるので泡状のミルクではありません。
エスプレッソで同じく使われるフォームミルクとは、少し異なる点があります。
スチームミルクとフォームミルクの違い
スチームミルクは蒸気により温められた液状のミルク
エスプレッソマシンで蒸気(スチーム)を発生させて、液体のミルクをスチーミングして空気を含ませます。
その際にミルクと気泡が混じり、細かい気泡が集まった状態になります。
ふわふわの泡状になったミルクをフォームミルク、泡状にならずスチームで温められてそのまま液体で出てきたものを「スチームミルク」と呼びます。
フォームミルクは空気を含んだ泡状のミルク
バリスタがマシンの前でチリチリと音をさせながら、ピッチャーを持っている姿を見かけたことはありませんか?
あれがまさにエスプレッソマシンでミルクをスチーミングしている状態です。
そこに空気を含ませることでフォームミルクが完成します。
フォームミルクはやわらかく口当たりのいいきめ細やかなツヤのある泡を持ち、フォームミルク以外の液状の温かいミルクがスチームミルクです。
[関連]【バリスタ監修】フォームミルクとは?上手な作り方やスチームミルクとの違い
スチームミルクとフォームミルクの割合で呼び名が変わるコーヒー
カフェモカ
カフェモカとは、エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを6:4の割合で淹れたものを指します。
お好みでエスプレッソと同じ程度のチョコレートシロップや、ホイップクリームを加えたりするコーヒーです。
お店によっては、エスプレッソ、ミルク、チョコレートを2:7:1の割合で淹れることもあります。
エスプレッソはレギュラーコーヒーと比べると、高圧力・短時間で抽出するので高濃度で少ない量が一般的です。
ミルクやチョコレートの甘さの中で、コーヒーの風味がしっかりと堪能できるドリンクですね。
[関連]カフェオレとカフェモカの違いは?抽出方法やミルクの量、口当たり、味わい
カフェモカはアメリカ生まれ
カフェモカに用いるエスプレッソはイタリア発祥ではありますが、カフェモカはアメリカ生まれのドリンクです。
アメリカ西海岸のカフェで、イエメン産のコーヒー豆「モカ」の味わいに近づくように作られたのがはじまりといわれています。
コーヒー豆のモカは、深煎りにすれば強くコクのあるコーヒーになり、飲んだ後ビターチョコのような香りがします。
この味わいをミルクやチョコレートで再現したのがカフェモカ。
コーヒー豆・モカをストレートで淹れた「モカコーヒー」とはややこしいですが、まったくの別物です。
カフェラテ
エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを9:1(お店によっては10:0)の割合で淹れます。
フォームミルクは表面が覆われる程度の量です。カフェラテはラテアートなどでも有名で、皆さんも一度は頼んだことがあるのではないでしょうか。
「ラテ」はイタリア語でミルクを指し、300年ほど前にイタリアのカフェで生まれました。
エスプレッソは濃度の高いコーヒーなので、ミルクを入れることでコーヒーとミルクのバランスが絶妙になり、大変においしい飲み物になります。
普通のコーヒーはあまり好きではないけれど、カフェラテならという方も多いほど。
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[関連]ラテアートの作り方をプロが徹底解説!初心者でもできるその方法とは?
カプチーノ
エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを5:5の割合で淹れたものです。
カプチーノはエスプレッソとスチームミルクとフォームミルクで3層になるコーヒーのこと。
スチームミルクの割合が多くなると「ウェットカプチーノ」、フォームミルクの割合が多くなると「ドライカプチーノ」など名前が変わるのも興味深いですね。
カプチーノもカフェラテ同様イタリア生まれのコーヒーです。
もともとカプチーノとはカトリック教会の一派「カプチン会」の修道士のことを呼びます。
彼らが身に着けるフードのついた修道服・カップッチョ(頭巾・フードの意味)にちなんで名づけられたともいわれています。
[関連]カプチーノとは?カフェラテ・カフェオレとの違いや作り方、美味しい飲み方を解説
カフェラテとカプチーノの違いはフォームミルクの量
カフェラテとカプチーノは、あまり見た目も変わらないので、「どこが違うの?」と疑問に感じる方もいるかもしれませんね。
2つの違いはフォームミルクの量にあり、カプチーノの場合はフォームミルクがカップのふち1cm以上、カフェラテは1cm未満といわれています。
[関連]カフェラテとカプチーノの違いとは?ミルクの量や口当たり、味わいの違い
カフェラテとカフェオレは別物
カフェラテはエスプレッソを使いますが、カフェオレはドリップコーヒーにスチームミルクとフォームミルクをいれる飲み物なので別物です。
一般的にはカフェオレに使われるドリップコーヒーは、浅煎りの豆を使うために苦さは控えめで、ドリップコーヒーとミルクの比率は1:1とされます。
[関連]カフェオレとカフェラテの違いは?発祥地や抽出方法、口当たり、味わいの違い
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スチームミルクを美味しく作るのに必要な道具
エスプレッソマシン
エスプレッソマシンは、蒸気でミルクを温めてスチームミルクやフォームミルクを作ってくれる機械です。
エスプレッソマシンは1万~数十万円するものもあり、値段はまさにピンからキリまでといえるでしょう。
この機械を使うとエスプレッソも抽出できるので、カフェラテやカプチーノなども作れるようになって非常に便利です。
[関連]【専門家監修】エスプレッソマシンの使い方は?美味しい淹れ方とお手入れ方法
ミルク
初めての時はよく冷えた成分無調整乳のミルクがおすすめです。
無脂肪は泡立ちにくく、豆乳はボコボコの泡になりやすいからです。
また冷やしておくとスチーム時間が長くなるので良いでしょう。
[関連]コーヒーフレッシュ(コーヒーミルク)のおすすめランキング
ミルクピッチャー
温度を感じやすいステンレス製がおすすめです。握る部分はヤケド防止のため、本体に指が当たらないデザインのものが良いです。
値段は2,000円前後からありますが、内側にもメモリがついているものや、ミルクが注ぎやすくラテアートにも最適な注ぎ口のものなど。
デザインもさまざまですから、用途に応じてチョイスしてください。
温度計
慣れれば必要ありませんが、65℃を目安にする必要があるので初心者は念のために用意した方がよいと思います。
55℃を越えるとミルクにほどよい粘度が生まれ、70℃を越えると徐々に凝固が始まるため、温度管理は非常に重要です。
インターネットでも「クッキング温度計」「料理用温度計」などで検索すれば、1,000円~1,500円とリーズナブルな価格で購入できます。
美味しいスチームミルクを作るためにもひとつ揃えておけば心配ないでしょう
針で表示できるようなものもありますし、デジタル表示するものもありますので、お好みで揃えておきましょう。
[関連]コーヒー用温度計(サーモメーター)の人気おすすめランキング
濡れ布巾
エスプレッソマシンのノズルに付いたミルクを拭くのに利用したり、ノズルを掴んで動かす時にヤケド防止のために利用することがあるので、あると便利です。
スチームミルクの美味しい作り方
1. ピッチャーによく冷えたミルクを3分の1程度いれる
ミルクに蒸気を送り込むと、液体面が当初の倍位よりも上昇するので、ミルクはなみなみ注ぐのはご法度です。
1/3を目安に入れるのがポイントです。
2. スチームノズルは一度空ふかし
ノズルの中に溜まった水を出すことがポイントです。
これを怠るとミルクに水気が混じって味も変わってしまうので、水蒸気が出なくなるまでふかすように注意しましょう。
3. ノズルはミルクに入れてからバルブを開く
ミルク液面の直ぐ下、1cmを目安にノズルを入れた状態でスチームを開くようにします。
先にスチームを開いてからミルクに入れようとすると飛び散るので、この点はくれぐれも気をつけてください。
4. 泡づくりは「チリチリ…」と聞こえたら正解の音
横回転の対流を意識して、ミルクに泡を作るのがポイントです。
スチームを開きピッチャーを下にさげて、ノズルの先をミルク液面ギリギリにくるようにします。「チリチリ…」という音が聞こえればミルクに空気を取り込んでいる証拠です。
5. 液面上昇しても液面すれすれにキープ
上手に泡ができていれば液面と液温が上昇し、ノズルの先端が見えなくなっていきます。
ノズルが入りすぎると泡が作られずミルクが温められるだけになってしまいます。
ゆっくりピッチャーを下げて、ノズルの先端を液面すれすれにキープし泡を作ることを意識することが重要です。
6. 泡作りは30℃を目安で終了
ミルクの温度が高くなると泡立たなくなるので30℃までに泡を作り終わりましょう。
泡を作り終えたらスチームでミルクを温めていくので、ピッチャーを水平な位置に置いて温めてください。
7. 泡を細かくしながら温める
今度はノズルを深めにさして、縦回転の対流を意識して作り、泡を細かく潰しながら温めるようにします。
温度計を使いながら、適温の65℃~70℃の間になったらバルブを閉めましょう。
8. 美味しいスチームミルクの完成
軽く回して泡を落ち着かせればスチームミルクの完成です。
ノズルにミルクが残っていると機械劣化の原因になるので、最後にノズル内に残ったミルクを吐き出すために空ふかしを行います。
周りに飛び散らないよう布巾でカバーするのが大事です。
スチームミルクを作る時に注意すべき3つのポイント
新鮮な牛乳を使う
スチームミルクを作るときは牛乳の鮮度が重要です。
牛乳は鮮度が落ちることで乳酸が高くなり、タンパク質が不安定になります。
さらに温めるとより不安定になってしまうので、スチームミルクが作りにくくなるため、なるべく新鮮な牛乳を準備しましょう。
スチームミルクは65℃が目安
55℃を超えると徐々にミルクに粘度が生まれ、70℃を越えると凝固が始まってしまいます。
温度が低すぎてもスチームミルクの独特な風味がなくなってしまうので、温度には十分注意することが大切です。
1度スチームしたミルクは再利用できない
新鮮な冷えた牛乳を使うのがポイントではありますが、失敗したからといってまた冷やして使うのはご法度です。
1度スチームしたミルクは傷みやすい上に再利用することはできないのです。
まとめ
今回はスチームミルクの特徴やスチームミルクを使ったコーヒーの種類、美味しく作るために必要な道具などについて紹介いたしました。
現在、残念ながらステイホームの時間も長くなりそうですから、グッズを揃えておうちでスチームミルクを作り、自分だけのとっておきのコーヒードリンクを作ってみませんか?
おうちでカフェ気分を味わうことができれば、こんなにいいことはありませんね。
ぜひ挑戦してみることをおすすめします!
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この記事を書いた人
pico69
趣味:食べ歩き・映画&コンサート鑑賞
食のトレンド・おいしいお店の情報やレシピについて記事を書いてきました。
フルーティーなコーヒーが好きで、自宅では仕事の合間にコーヒーを入れています。