コーヒーコラム

【専門家監修】コーヒー豆の焙煎度合い(ロースト)8段階を解説!

コーヒー豆の焙煎度合い(ロースト)は何段階ある?味と特徴を解説

コーヒーの味を決定する作業と言っても過言ではない、焙煎。

浅煎りや深煎りなどと記載されたパッケージをよく目にしますが、一体何段階に分かれているものなのでしょうか。

またそれぞれの焙煎度合いは、どのような特徴や味わいを持っているのでしょうか。

この記事では、コーヒーにとって大切な工程である焙煎の種類について解説します。

焙煎について知ると、コーヒーがさらに楽しく美味しくなりますよ。

この記事を監修した人

chiba

千葉 大樹

SCAJコーヒーマイスター

20歳の頃にある珈琲店と出会い、それまで興味関心がなかったコーヒーの世界にのめり込む。2022年4月〜スタッフ自らがリノベーション工事をして立ち上げた古民家カフェにて、自家焙煎コーヒーを提供し今に至る。

この記事を書いた人

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Yuko

編集部ライター

毎日のコーヒーはなくてはならないものである一児の母。自宅でのカフェタイムを充実させるため、コーヒーについて日々研究中です。

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「焙煎」はコーヒーの味を左右する大事な作業

焙煎

生豆のままではコーヒー独特の香ばしさや味わいは生まれません。

その味を作り出すのが焙煎という作業。コーヒーの味の決め手になる工程であり、焙煎は豆の個性を最大限引き出すことを目的としています。

産地や銘柄ごとにも味の違いが生まれますが、最終的に味を左右するのが焙煎。

コーヒー専門店や焙煎所を併設したカフェなど、焙煎にとにかくこだわったお店が多いのはそのためです。

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焙煎とはコーヒーの生豆を炒る作業のこと

焙煎

焙煎はコーヒーの生豆を炒る加熱作業のこと。ローストと呼ぶこともあります。

焙煎が進むにつれコーヒー豆は茶褐色、そして黒褐色へと変化していきます。

焙煎によって豆に含まれる香りの前駆物質が化学変化を起こし、香気成分が生成され、コーヒー特有の素晴らしい香りに。

さらに酸味甘み苦みといった風味も焙煎によって生まれます。

焙煎によって、コーヒー豆の組織変化(パフィングと呼ぶ)により味や香りが発生します。

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焙煎度合いによって同じ豆でも味が変化する

コーヒー

一般的に浅く焙煎したものほど酸味が強い仕上がりになります。

そして深く炒るほど苦みが強く感じられるように。同じ豆でも焙煎の度合いによって味が変化するのはこのためです。

浅煎りのほうが強く酸味が出るのは、主にショ糖が熱分解して有機酸を生成するためだと考えられています。

豆の水分蒸発にともなって増加するリンゴ酸やクエン酸は熱分解により減少に転じ、ギ酸や酢酸は過熱により新たに生成されます。

また、酸味の強さは「カネフォラ種(ロブスタ)<アラビカ種」「低地産<高地産」「オールドクロップ<ニュークロップ」と言われています。

酸味がきいた味わいが好きな方、あっさりとしたタイプを探している方は浅く焙煎したもの。

どっしりとしたコクや苦みが好きな方は深く焙煎したものなど、焙煎度合いでの味の変化を感じてみましょう。

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コーヒーの焙煎度合いは8段階に分けられる

コーヒーの焙煎度合い

コーヒーの焙煎は浅煎り・中煎り・深煎りと3段階で表現されることもありますが、より詳しく8段階に分けられます。

近年、広く定着しているのは8段階であり、3段階、5段階、6段階と分類の仕方は様々です。

このように分類されていますが、あくまで目安であり、焙煎業者各々の特徴・判断基準が反映されます。

それぞれの段階で味わいはもちろん見た目も異なります。その特徴などをご紹介。

ライトロースト(極浅煎り)

最も浅い焙煎度合いのライトロースト。

香ばしさやコーヒーらしい味わいはほとんど感じられず、青臭さが全面にでた味に。

一般の飲料用には使われることがないライトローストは、主にコーヒーの品質を決めるカッピングに使用されます。

しかしサードウェーブ系のカフェなどで徐々に取り扱いが広がっているようです。

ライトローストにおすすめの豆

主にカッピングテストに使用されているための焙煎なのですが、強いてあげるとフルーティーな風味と明るい酸味があるエチオピアなどです。

シナモンロースト(浅煎り)

コーヒー豆

酸味がとても強く出る仕上がりに。生豆のもつ渋みが酸味に変化する程度の焙煎度合いです。

流通量はまだまだ少ないのですが、軽くすっきりとした味わいで少しずつ人気が高まってきています。

サードウェーブ系のカフェなどで飲めることも。

シナモンローストにおすすめの豆

酸味が際立つ仕上がりのため、フルーティーな風味のものに向いています。

ブルーマウンテンクリスタルマウンテンなど。

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ミディアムロースト(中浅煎り)

浅い方から3番目であるミディアムロースト。アメリカンローストと呼ばれることもあり、名前の通りアメリカンコーヒーを淹れるのに適しています。

酸味はまだまだ感じられますが、コーヒーらしい苦みが少し出てきます。

豆の色も濃くはなく、アーモンドのような薄茶色をしています。

このあたりの焙煎度合いから、クロロゲン酸ラクトンなどの苦み成分が生成されます。

ミディアムローストにおすすめの豆

日本での知名度が高い高級豆、希少なものはミディアムローストが向いている傾向に。

ハワイコナや、モカキリマンジャロなどのまろやかかつ爽やかな味わいの豆が適しています。

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ハイロースト(中煎り)

ハイロースト(中煎り)

ちょうど真ん中の焙煎度合いであるハイローストは、やはりバランスの取れた味わいに仕上がります。

まだ酸味の勝っているミディアムローストよりも徐々に苦みが出てくる焙煎度合い。

パンチのある苦み、というよりはまろやかな口当たりのソフトな苦みといったところでしょうか。

ハイローストにおすすめの豆

どのようなコーヒー豆とも相性の良いハイロースト。

酸味と苦みのバランスが美味しく味わえる、エチオピア産のモカなどがおすすめです。

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シティロースト(中深煎り)

ハイロースト、シティローストは一般的な焙煎度合いでもあるため、普段何気なく飲んでいるものはどちらかであることが多いです。

酸味よりも苦みが出てくるため、コクのある味わいに。

コーヒーらしい苦みがしっかりと感じられるのがシティローストです。

シティローストにおすすめの豆

苦みを特徴とした品種に向いています。風味のしっかりとした豆でないと味を損なってしまうことも。

グァテマラコロンビアブラジルなどのバランスの取れた味わいになるものが向いています。

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フルシティロースト(深煎り)

フルシティロースト(深煎り)

上から3番目に焙煎が強いフルシティロースト。苦みやコクがしっかりと出て、深みのある味わいです。

反対に酸味は弱く感じられます。コーヒーらしい苦みを味わいたい、という方におすすめ。

深煎りの場合の苦み成分はビニルカテコール重合体へと変化し、深煎り独特の苦みが現れてきます。

アイスコーヒーにもピッタリです。

フルシティローストにおすすめの豆

グァテマラやメキシコ、コロンビアなどが向いています。

フルーティーさが持ち味の豆ではなく、味わいのバランスが良くしっかりとした味わいのコーヒー豆がおすすめです。

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フレンチロースト(深煎り)

8段階中、上から2番目に強い焙煎度合いのフレンチロースト。

しっかりとした深みと苦みが味わえます。酸味がほのかに残るため、甘みのある香りが漂う仕上がりに。

苦さをしっかりと味わいたい方におすすめです。アイスコーヒーやカフェオレにも◎。

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フレンチローストにおすすめの豆

しっかりとした味わいを持っている豆が適しているのがフレンチロースト。

焙煎をすることで個性がより引き出されるような、マンデリンなどにおすすめです。

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イタリアンロースト(極深煎り)

最も深い焙煎度合いなのがイタリアンロースト。豆の色は黒に近くなります。

酸味は無く、どっしりとした深い苦みが出るのが特徴。油分が出るため濃厚な味わいです。

パンチのある苦みと、他の焙煎度合いにはないスモーキーな風味が味わえます。

イタリアンローストにおすすめの豆

主にエスプレッソに使用されるイタリアンロースト。

スモーキーな風味と相性の良いナッツの香りを持つ、ブラジルケニア産の豆などがおすすめです。

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それぞれの焙煎度合いの煎り止め

ライトロースト1ハゼ手前で煎り止め
シナモンロースト1ハゼ中間で煎り止め
ミディアムロースト1ハゼ終了時点で煎り止め
ハイ/シティロースト1ハゼ終わりから2ハゼ始まりまでの間で煎り止め
フルシティロースト2ハゼ終了時点で煎り止め
フレンチロースト2ハゼ終了後も加熱を続け、黒味の強い茶色で煎り止め
イタリアンロースト真っ黒になるまで煎り続ける

それぞれの焙煎度合いに対して、どの程度の時間をかけて焙煎するのか、煎り止めのタイミングをまとめました。

基本的にはハゼのタイミングで焙煎度合いを確認することができますので、ぜひ音を聞きながら挑戦してみてください。

ハゼとは焙煎時にコーヒー豆から炭酸ガスが発生し、化学反応によって膨張した豆が裂けるときにパチパチと鳴る音のことです。

コーヒーの焙煎は奥が深い

焙煎

同じ銘柄の豆を使っても浅く煎ったコーヒー豆と深煎りのものでは、違う飲み物と思えるほど味が異なります。

また少しの時間の違いで焙煎度合いが変化してしまうので、良さを引き出すこともあれば風味を損なってしまうことも。

コーヒー専門店などでは炭火で焙煎したり、独自のマシンを使ったりとさまざまに工夫が凝らされています。

味を決定する焙煎は難しさもありますが、知れば知るほどコーヒーの奥深さに気づかされる作業でもありますね。

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自分好みの焙煎度合いを知ろう

焙煎度合い

どの程度の焙煎が好みに合うかわからない、という方はカフェや喫茶店などで美味しいと感じたものの焙煎度合いを聞いてみましょう。

コーヒー豆の銘柄や産地ももちろんですが、自分好みの焙煎度合いを知ると豆を選ぶのがグッと楽しくなりますよ。

また、いつもと違った焙煎度合いのものを選んでみるのも新しい発見になるのではないでしょうか。

自家焙煎してみるのもおすすめ

網に生豆を入れる

難しそうなイメージの焙煎ですが、家庭用の器具も多数販売されています。

最も簡単なのは持ち手のついた網タイプの器具。安価でトライしやすいので、1度試してみるのもおすすめです。

また手回しするドラムタイプや全自動など、より手軽に焙煎できるものも。

コーヒー好きならぜひ焙煎にもこだわってみましょう。

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生豆を購入して自家焙煎するのも楽しい

生豆

焙煎してある豆や粉タイプのものは数多く販売されていますが、実は生豆も購入が可能です。

通販などでも豊富に揃っており、かつ気軽に買えるのでぜひ挑戦してみましょう。

焙煎してある豆と違って保存期間がかなり長くなるのも嬉しいポイント。

自家焙煎すれば、いつでも新鮮な味わいのコーヒーが楽しめますよ。

まだ焙煎されていないコーヒーの生豆を選ぶなら。
自分の腕次第で味わいを引き出せる、おすすめのコーヒー生豆をまとめました。

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千葉 大樹

SCAJコーヒーマイスター

20歳の頃にある珈琲店と出会い、それまで興味関心がなかったコーヒーの世界にのめり込む。2022年4月〜スタッフ自らがリノベーション工事をして立ち上げた古民家カフェにて、自家焙煎コーヒーを提供し今に至る。

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Yuko

編集部ライター・営業

コーヒーフレーバーのお菓子は見かけたら必ず買ってしまうほど大好きです。コーヒー好きの両親の影響で、中学生からドリップしていました。カフェや喫茶店はもちろんですが、子どもがいるため自宅でゆっくりとコーヒーを楽しんでいます。

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